世界一美しい銀貨 イギリス 1847年 ヴィクトリア女王 ゴシッククラウン銀貨の魅力

こ1んにちは、アンティークコインギャラリア店主の渡辺です。

今日は世界一美しい銀貨の誉れが高い、イギリスのゴシッククラウン銀貨について深く掘り下げてみます。

なぜ世界一美しいと言われてるの?

 

世界一美しいって何?誰が決めたの?なんか基準でもあるの?と思われるかもしれません。
私もそう思います。
特に誰が言ったとか、世界一美しい銀貨で賞に輝いたとか全くありません。
自然に世界中の誰もがこの事実に同意している。という感覚でしょうか。
これってすごいことですよね。。仮に世界一美しい女性はだれか?の問があったら世界中で喧々諤々の議論でしょうから。。
画像を見て頂けたらその美しさは一目瞭然だと思います。
表には凛とした表情で佇むヴィクトリア女王
裏にはヴィクトリア女王が統治している各地の紋章が十字の形にレイアウトされています。
そして、特筆すべきはその彫刻の精密さです。
これは写真では分かりづらい。ぜひ実物を見てもらいたいのですが、とんでもなく精密です。
これが150年前に作られたコインで有ることが信じられません。当時の技術力の高さに本当に驚かされます。
ヴィクトリアの髪の毛、洋服の花柄模様、裏面の紋章の彫刻
実物を見たらこれは確かに世界一美しいかもしれぬと納得してしまうはずです。

価格はどれくらい?

価格は状態によりますが、現在(2018年9月)だと安いもので50万円ほど、高いと600万円ほどでしょうか。
海外オークションの記録を少し掲載しておきます。
1847年 イギリス ヴィクトリア女王 ゴシッククラウン銀貨
4400ドルで落札(NGC PR62 Undecimo)
1847年 イギリス ヴィクトリア女王 ゴシッククラウン銀貨
26,000ドルで落札(PCGS PR65 Undecimo )
銀貨の特徴でもあるのですが、銀の金属的な性質により、トーン(変色)やサビなど個体差がかなり激しく出てきます。
そのため、グレードが高いから落札価格が高い、グレードが低いから落札価格が低いと単純にはいきません。
金貨は金という金属の性質上、個体差が銀貨に比べて少ないためわかりやすいのですが。。
ここが銀貨の難しいところでもあり、面白いところでもあります。
(トーンの銀貨ばかり集めるコレクターさんもいらっしゃいます。)

なぜこんなに高額なのか?

それはズバリ希少性と人気が抜群に高いからです。
まずは希少性から。このコインは1847年にヴィクトリア女王の即位10周年を記念して1年だけ発行されました。発行枚数はわずか8000枚
また、1853年にもわずかに鋳造されています。まさに幻のゴシッククラウン。ほとんど市場にでてきません。
出てきたら数百万円の値段がつきます。(2018年7月に400万円で落札されています。)
ですが、この1853年タイプは、ゴシッククラウンの人気と希少性を鑑みるとまだ割安かもしれません。
10年後にはいくらになっているか楽しみです。

バリエーション

このコインにはいくつかバリエーションが存在します。

■1847年 Undecimoエッジ

もっとも一般的なバリエーションです。私の感覚ですが、9割くらいはこのタイプのコインです。
1847年 イギリス ヴィクトリア女王 ゴシッククラウン銀貨 アンデシモタイプ

■1847年 Plainエッジ

残り1割くらいはこのパターンでしょうか。気長に待てば手に入るレベルです。
1847年 イギリス ヴィクトリア女王 ゴシッククラウン銀貨 プレーンエッジ
ここから下は幻です。ほぼ見つかりません。もし探していたら見つけたら一期一会、確実にモノにしてください。

■1847年 Septimoエッジ

写真なし
カタログではHighest Rarity(最も希少)の文字あり。

■1853年 Septimoエッジ

超レアです。
1853年には数十枚しか追加で鋳造されていないと言われています。
1853年 イギリス ヴィクトリア女王 ゴシッククラウン セプティモエッジ

■1853年 plainエッジ

これも幻です。出会ったら即買いしてください!

その他にも
■1847 Proof in gold plain edge
■1847 Proof in white metal plain edge
なるものが存在します。どちらもHighest Rarityです。
ほぼお目にかかることはないと思いますが涙
全部で6種類のバリエーションですね。
1847年のUndecimoエッジ、Plainエッジは比較的短期間で購入できると思いますが、そこから先は気長に待つしかなさそうです。
また、さらにさらに幻といえるのが「試鋳貨」要は試作品です。

■1846年 試鋳貨タイプ

アメリカ大手オークションハウスのHeritage Auctionで過去20年間で1回だけ出品されています。(2018年の1月に50,400ドルで落札、20%の手数料込み)
ちなみに、図柄が違う部分あります。ぜひ探してみてくださいね!
ウィリアムワイオンの試行錯誤が見えます。

1846年 イギリス ヴィクトリア女王 ゴシッククラウン銀貨 試鋳貨 

天才彫刻家ウィリアムワイオン 

 このコインを語る上で欠かすことができないのがウィリアムワイオンの存在です。

1795年にバーミンガムで生まれたワイオンは、19歳のときに同じくコインの彫刻士だった父のもとで修行を開始します。
そして、1816年、ロンドンに移り住み、ロイヤル・アカデミー(王立芸術院)で優秀な成績を収めます。
同年、ロイヤルミントでアシスタントエングレーバー(彫刻士)に任命され、1828年からはチーフエングレーバーとして活躍します。
彼の代表作といえば、1839年ヴィクトリア女王5£金貨 通称”ウナとライオン”
こちらもコイン史に残る銘品
美しい。

1839年 イギリス ヴィクトリア女王 5ポンド金貨 ウナとライオン

 

1841年 英領インドの1モハール金貨
かっこいい。。。
(ただのライオン好きか!というツッコミはなしで笑)
1841年 英領インド モハール金貨
コインの世界ではそれほどデザイナーが名を残すことはないのですが、彼は別格。
1838年には王立美術院の正会員に選出されるほどの名誉を得ました。
また、余談ですがウィリアムワイオンはペニー・ブラック(Penny Black)呼ばれる世界初の郵便切手のデザインも担当しています。
イギリス ペニー・ブラック 郵便切手
まさに当時を代表するデザイナーだったといえます。

どこで買えるの?

国内のコインショップはもちろん、インターネットでも多くの業者が販売しています。
店舗で確認するのもよし、ネットでお気に入りの一品を探すのもよしです。
運命の一枚を探す過程も愉しいものです。
ただ、ヤフオクは販売者の評価などを必ず確認して信頼できるかどうか確認してくださいね。(基本的にはおすすめできません。)

ゴシッククラウンの真贋は?偽物を掴まされないために

コインコレクションにつきものなのが真贋の問題。特にゴシッククラウンは人気の高さから偽物が多く出回っています。
精巧に作られた贋作が多く、見分けるのは容易ではありません。
偽物を掴まされないためには
  • 鑑定済みのコインを買う
  • 信頼できる売り手から買う
この二点を徹底してください。ゴシッククラウンはケースごと偽装されている場合もあると聞いています。
そのため、特に後者のほうが大事かもしれません。販売者も気づかず、悪意がないのに贋作を販売してしまうケースもありえます。
仮に贋作だった場合の対応は購入前に必ず確認しておきましょう。
(弊社の販売するコインには生涯の真贋保証をつけております。)

基本情報

直径 38mm
重量 28.2759g
素材 スターリングシルバー(銀本位0.9250)

図柄表

ヴィクトリア女王
VICTORIA DEI GRATIA BRITANNIAR.REG:F:D.
(英国の女王にして信仰の守護者、神の恩寵によるヴィクトリア)

図柄裏

王冠を抱いた各支配地域の紋章
「3ライオンズ」イングランド
「ハープ」アイルランド
 「ライオン」スコットランド
各地域を象徴する植物
「クローバー」アイルランド
「バラ」イングランド
「アザミ」スコットランド
発行年(ローマ数字)
1847年 mdcccxlvii
1853年 mdcccliii
銘文 
TUEATUR UNITA DEUS, ANNO DOM
神よ連合王国を守り給え)
コレクターなら誰しもが憧れるゴシッククラウン銀貨についてまとめてみました。
コレクションの参考になれば嬉しいです。
サイトに掲載していないコインもありますので、ゴシッククラウンを探している方はお問い合わせよりご連絡ください。