ウナとライオンよりも高い、なんと4000万円超。テトラドラクマだけじゃない!アテネのシンボル、フクロウが刻まれた激レアデカドラクマ銀貨

古代ギリシャ アテネ デカドラクマ銀貨

デカドラクマとは?

デカドラクマとは10ドラクマのことです。ドラクマが通貨単位、デカが額面に当たります。
アテネを代表するコイン、ふくろうのテトラドラクマは4ドラクマという意味です。
デカドラクマという名前が示すとおり(笑)、42.67gの重量感あふれるコインになっています。

刻まれている図柄とその意味は?

表に刻まれているのはギリシャ神話の女神アテナ、裏に刻まれているのはアテナと知恵の象徴であるフクロウが刻まれています。
テトラドラクマでは横向きで刻まれているフクロウですが、このデカドラクマは正面を向いた形で刻まれているのが非常に特徴的です。
<参考 アテネのテトラドラクマ銀貨>
古代ギリシャ アテネ テトラドラクマ銀貨
表面の上部にはテストカットがありますね。
裏面の左上部にはオリーブの枝と実、アテネを表すΑΘΕの文字が刻まれています。
ペルシャとの戦いに勝利した記念に作成されたと考えられています。状態はAU(準未使用)とされています。
古代コインとしてはかなり状態の良い部類だといえるでしょう。

アテネ ふくろう デカドラクマの歴史的な価値、希少性は?

紀元前467~465年にシチリアの熟練工によって鋳造されたこのコインは数あるギリシャコインの中でも最も重要で、この時代のアテネを象徴する一枚です。
取引に用いられれる正式なコインとしてではなく、当時のアテネの貴族、上流階級のみに寄贈された贈り物だと考えられています。
現在まででわずか”37”枚しか発見されていません。(ギリシャコインが大量に発見、盗掘された「エルマリ事件」で13枚が1985年に新たに発見されたにも関わらずです。)
そのうちの18枚はすでに博物館にコレクションされています。つまり、現時点で手に入る可能性のある枚数はわずかに19枚ということになります。
これから何枚見つかるかはわかりませんが、一般に流通したコインではないため、それほど作られた枚数は少ないと思われます。
かなりの希少価値がありそうです。

アテネのふくろう デカドラクマの価格は?購入することはできるの?

スイス、ジュネーブにあるMaison Palomboというオークションハウスが主催するオークションに出品されています。
オークションの開催は2018年の10月20日、インターネットでもオークションの入札は可能です。
オークションのスタート価格は300,000スイスフラン(約4000万円)、予想落札価格は400,000スイスフラン(約4700万円)となっています。
その歴史的な価値と希少価値が反映されてかなり高額のスタート価格が設定されていますね。
日本人が落札したら大きな話題になると思います。気になる方はぜひチャレンジしてみてください。

デカドラクマを見ることができる場所は?

とはいえ、なかなか4000万円は出せません。所有はできなくても見ることは可能です。

人類の貴重な宝であるこのデカドラクマは博物館で見ることができます!

■アテネ貨幣博物館 Numismatics Museum (ギリシャ、アテネ)

住所:Eleftheriou Venizelou 12, Athina 106 71 ギリシャ

地図リンク

収蔵品リンク

ちなみにGoogle Arts & Cultureというサイトでもその美しい収蔵品の写真を見ることができます。

■大英博物館 The British Museum(イギリス、ロンドン)

住所:Great Russell St, Bloomsbury, London WC1B 3DG イギリス

地図リンク

収蔵品リンク

■ボストン美術館 Museum of Fine Arts Boston(アメリカ、ボストン)

*試鋳貨が見られます。

住所:465 Huntington Ave, Boston, MA 02115 アメリカ合衆国

地図リンク

収蔵品リンク

*ネットで調べられる限りだと3博物館しか見つかりませんでした。。もしここで見られる!見たことある!という情報があればぜひ教えてください。

 

日本の博物館にもぜひ来てほしい素晴らしいお宝です。
有名画家の企画ばかりでなく、アンティークコイン特別展なんて企画もやってくれないかなぁ・
なかなか集客が見込めないのでしょうかね苦笑
今日もコインを愉しんでいきましょう。
 
店主
渡辺