1826年ジョージ4世5ポンド金貨を徹底解説!過去の落札相場やコインの歴史
1826年の英国ジョージ4世5ポンド金貨は発行数がわずか150枚。希少価値が非常に高く、そもそも国内では見かける機会は滅多にないといえるレアな金貨です。
アンティークコインは貴金属投資や美術投資の一環として、世界中の投資家・コレクターから注目されています。アンティークコインで成功するためには、いかに価格高騰が狙える1枚を購入できるかにかかっています。このジョージ4世金貨はぜひ押さえておきたい1枚。
いつどこで、運よく購入の機会に遭遇するかは誰にも予測できません。いざという時に適切な判断ができるよう、1826年の英国ジョージ4世5ポンド金貨について詳しく解説します。
ジョージ4世の金貨とイギリスのアンティークコイン
アンティークコインといえば、英国のソブリン金貨が有名です。ひとことでソブリン金貨といっても多種多様なコインがあり、価格や値上がり率も様々です。せっかくコインを購入するなら、値上がりが期待できる1枚を入手しておきたいもの。
まずは、最初に英国のソブリン金貨で、価格高騰が激しいものをいくつかご紹介しておきます。
英国ソブリン金貨(歴代の金貨)の値上がり例
コインのグレードによって価格帯は大きく異なりますが、鑑定付きで状態が良い場合、以下のように値上がりしています。1,000万円以上の値がついているものを選んでみました。
- 1673年チャールズ2世 5ギニー金貨 → 1,000万円~2,000万円
- 1686年ジェームス3世 5ギニー金貨 → 1,000万円~1,500万円
- 1818年ジョージ3世 ソブリン金貨 → 1,000万円~2,000万円
- 1826年ジョージ4世 2ポンド金貨 → 1,500万円~2,000万円
- 1937年ジョージ6世 5ポンド金貨 → 1,000万円~1,500万円
以前までは、数万円の価値だったコインたちです。数十万円~数百万円に値上がりするだけでも驚きなのに、1枚の金貨に1,000万円以上の値がつくとはアンティークコインならではの醍醐味だといえます。
ジョージ4世5ポンド金貨がおすすめな理由
数え切れない程のアンティークコインが市場に出回る中、価格が高騰するコインは大きく3つの要素を有しているのが特徴です。
- 発行数が少なく入手が難しい(希少価値が高い)
- 知名度が高く人気があるテーマ(購入したい人が多い)
- 鑑定付き、あるいは状態が非常に美しい(未使用に近い)
1826年ジョージ4世5ポンド金貨は、上記3つの要素を兼ね備えた金貨です。希少価値が高く、グレードの高いものは手に入りづらいため、高値で売買されています。
1800年代に発行された金貨なので、アンティークコインの中では比較的歴史が浅く、未使用に近いものも残存しているのが大きな特徴。鑑定付きでグレードが高い場合は軽く1,000万円以上の値がつくことが予想されます。
1826年ジョージ4世5ポンド金貨は、まさにアンティークコイン投資で一攫千金が狙える人気のレアな金貨なのです。
ジョージ4世とはどんな人物だったか
アンティークコインで成功するためには、単に入手が難しい古いコインを購入すればよいというわけではありません。デザインが美しく芸術的価値があるもの、さらに、購入したい人が多いと思われる人気のテーマを探る必要があります。
では、実際にジョージ4世とはどのような英国君主であったのか、その人物像や歴史についてご紹介します。
贅沢王・借金王の代名詞!?
ジョージ4世はハノーバー朝ジョージ3世の長男。1820年に父ジョージ3世が深刻な病に陥ったことで57歳の時に跡を継いで即位しました。
紳士、法律、品行方正、勇敢な騎士のイメージで名高い英国ですが、ジョージ3世は第一王子として至れり尽くせりの青年時代を送った挙句、贅沢と怠慢に身を委ねる人物に育ってしまったのです。
幾多の愛人、浴びるほどの大量のお酒、豪華な邸宅にきらびやかな芸術品の数々、ギャンブル、美しい血統馬と借金に借金を重ね1795年の時点で約80億円以上の借金をつくっていたといいます。
ジョージ4世は贅沢王・借金王として名を残し、決して尊敬できる人物ではなかったようです。
贅沢なだけに芸術には貢献
享楽にふけるジョージ4世は政治家、君主としては全く不適格な人物でした。しかし、贅沢なだけに画家・彫刻家・建築家のパトロンとして大いに活躍しました。
もちろん芸術家達に払う請求書は山積になっていて、最終的には国や父の資産によって払われていますが、当時の英国の芸術史には偉大な貢献をしているのです。
ロイヤルパビリオンの建造、ウィンザー城やバッキンガム宮殿の改築など、ジョージ4世は次の大英帝国時代への土台を築いた人物でもあるのです。ソブリン金貨で有名な「STジョージとドラゴン」のデザイナー、ベネディット・ピストルッチをイタリアから招いたのもジョージ4世でした。
ジョージ4世は「ダメな君主」の代名詞としてよく登場しますが、あきれるほどのだらしなさと芸術へのひたむきな情熱から「ダメな君主だけど憎めない君主として」ちょっと異例の人気を保っているのです。
1826年ジョージ4世5ポンド金貨
▲ジョージ4世5ポンドプルーフ金貨
それでは、1826年ジョージ4世5ポンド金貨の詳細や過去の落札履歴などをご紹介していきます。
概要・詳細
上記のジョージ4世金貨は1826年に製造された5ポンドプルーフ金貨です。5ソブリンプルーフ金貨とも呼ばれているコインで、発行枚数はわずか150枚。現存するコイン数はさらに少ないといわれる幻のレア金貨です。
- 金の純度:22K
- 重量:40g
このタイプの5ソブリン金貨は1825年~1830年にかけて製造されたもの。通常の金貨の場合は年度によって発行枚数は38万枚~500万枚ぐらい。グレードが低いものは数万円~数十万円程度で購入できます。
表面はヴィクトリア女王金貨でも有名なウイリアム・ワイオンによる肖像デザイン。裏面はジャン・バッティスト・マーレンによるロイヤルアームの紋章デザインです。
コインの魅力
1826年のジョージ4世金貨の魅力は、まずワイオンの独特なタッチによるリアルスティックで繊細な肖像が刻まれている点です。カールした髪の毛の細部の流れまで芸術的に表現されています。
一方、裏面の紋章はゴージャスで迫力があるデザインに、繊細さや格式の高さが加わり溜息が出るような美しさに仕上がっています。英国コインの素晴らしさを見事に表現した1枚だといえます。
過去の落札価格の推移
主にHeritage Auction、銀座コインなど国内外の各種オークション情報をもとに1826年ジョージ4世5ポンド金貨の過去の落札価格を調べてみました。今後の参考にして頂ければ幸いです。
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2002年
グレードがほぼ未使用の状態で落札価格の平均は約100万円前後 -
2013年
約10年で価格は4倍に値上がりしているようです。グレードが63(PR/PL)あたりで400万円。 -
2014年
グレードが63~64あたりで、落札価格は500万円~700万円程度の値がついています。 -
2015年
グレードが63あたりで、落札価格は900万円近くまで値上がりしています。 -
2020年
さらに5年後には61あたりのグレードでも1,200万円以上の値がついています。グレードが高くなるにつれ値は跳ね上がっていきます。
1826年ジョージ4世5ポンド金貨の価格は約20年間で10倍以上に高騰しているのです。
まとめ
今回ご紹介したジョージ4世5ポンド金貨のように入手が難しい金貨の購入はタイミングがすべて。とくに国内のコイン市場のみを対象にするならばお目にかかる機会はごく限られてしまうのが現状です。
もし、思いがけずレアなコインに出会えた時は、グレードや価格に問題がない場合は迷わず購入しておくことが成功のコツです。また、いつ出会えるか予測はつきませんし、次に出会った時には価格がさらに上昇していることも考えられます。
数少ないチャンスを逃さないように、定期的にオークションサイトやコイン専門店のリストなど情報を調べておくと安心ですよね。
価格参考:PCGS / Heritage Auction / 1826Great Britain Sovereign KM# 696 / NumisBid / オークションワールド / マネー現代