モダンコインとアンティークコインの違いを3つ解説!収集価値が高いのはどっち?
モダンコインとアンティークコインの違いって何なの?とアンティークコインの情報を調べる中、モダンコインという名称が出てきて疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
そもそもアンティークコイン、モダンコインとはどのようなコインなのでしょうか。どちらの方が収集価値・投資価値が高いのでしょうか。せっかくコインを購入するのであれば、将来的に値上がりが期待できる方がいいですよね。
今回は、モダンコインとアンティークコインの違い、そしてどちらの方が投資として収集価値が高いのかを解説していきます。ぜひ、これからのコイン収集にお役立て下さい。
アンティークコインとは
アンティークコインの定義に明確なものはありません。古いコインを総称して「アンティークコイン」と呼びます。稀に、最近のコインでも大まかにアンティークコインに分類することもあります。
古いコインといっても、紀元前に製造されたものもあれば、数十年前に製造されたコインもあります。一般的には100年以上前の古いコインを最近のコインと区別するためにアンティークコインと呼んでいます。ただし、アンティークコインという名称は日本国内だけで使われている言葉で、海外ではレアコイン、ビンテージコイン、単にオールドコイン、コインなどと呼ばれます。
近年ではビットコインなど仮想通貨の存在があり、コイン投資というと仮想通貨を指す場合があります。また、単に古いだけであまり価値がない通貨もあります。仮想通貨や単に古いだけの通貨と混同されないために、日本では投資として購入する古いコインのことをアンティークコインと呼ぶようになったようです。
モダンコインとは
数あるコインの中でも最近発行されたコインを総称して「モダンコイン」といいます。モダンコインとは現在のコインも含めて、50年~100年未満のコインのことを指しています。モダンコインとアンティークコインを区別する明確な規定はとくにありません。
何年ぐらいをアンティークとモダンの境界線にするのかは個人差があり、概ね最近のものであればモダンコイン、50年~100年以上昔のコインであればアンティークコインに分類できます。それぞれの感覚・イメージで判断して問題ないでしょう。
モダンコインとアンティークコインを区別する例
モダンコインとアンティークコインを区別するのに、歴史的なイベントやコインの素材で区別するケースがあります。
- 第2次世界大戦以前のものをアンティークコイン、第2次世界大戦以降のものをモダンコイン。
- 米国コインでは、コインが銀からニッケルに変わった1964年以降のコインをモダンコインと呼ぶケースがある。
- 貴金属投資を目的にした、Bullion Coins(地金型コイン)が発行され始めた年代以降(国による)のコインをモダンコインと分類することもある。
コインの国際鑑定機関PCGSでは、モダンとアンティークを区別する年代は投資家や専門家によって6通りあるとしています。
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アンティークコインとモダンコインの違い
いざアンティークコイン投資を始めようと思っても、どんなコインがよいのか迷ってしまいます。かなり昔のアンティークコインがよいのか、割と最近のモダンコインの方がよいのかが、コイン選びで最初に迷いがちなポイントです。
そこで、アンティークコインとモダンコインとどちらが収集価値があるのか、両者の違いは何なのかをここで比較しながら検証します。
違い1.コインが製造された年代
アンティークコインとモダンコインの最も大きな違いは、コインが製造された年代や対象となる年代の範囲です。
アンティークコインの年代
アンティークコインの年代は貨幣の歴史とともに紀元前にまで遡ります。紀元前といえば2,000年以上昔のことです。大まかに1900年代半ばあたりまでをアンティークコインとした場合には、かなり幅広い年代が対象となります。それこそ数え切れないほど多くのコインが存在します。
それぞれの趣向に合わせて多種多様なコインから選べることや、入手が難しい人気のコインは驚くほど値上がりすることもある点がアンティークコインのメリットです。一方ではどの年代がよいのかの選択が難しくもあります。また、古いコインになるほど劣化が目立つものが増えます。コインの品質の見極めなど初心者には若干ハードルが高くなります。
モダンコインの年代
モダンコインの場合は古いものでも50年~100年未満です。比較的に親しみのあるテーマや人物がコインのデザインに使われているので選びやすく、未使用のコインも多くなります。ケース付きや証明書付きなど好条件で購入できる機会が増えます。
モダンコインは年代が限られてくるので、興味のある年代・人物や注目されているコインにポイントを絞りやすいことがメリットです。また、グレードの高いコインが比較的に安価で購入できることがモダンコインの大きな魅力になっています。歴史やコインのことに詳しくなくても、初心者でも取り組みやすいのが特徴です。
違い2.コイン市場における需要・人気度
アンティークコインとモダンコインで、次に比較したい要素は「コイン市場における需要や人気度」です。どちらの方が需要が高く、人気があるのでしょうか。
アンティークコインの需要・人気度
欧米や欧州では数世紀前から貴金属投資や美術品投資の一環として古いコインを購入しておく習慣がありました。アンティークコインの主要市場はやはり欧米や欧州です。欧米や欧州での取引状況をネットで調べてみると、圧倒的に数が多いのはアンティークコインです。
アンティークコインの場合は2,000年という長い期間が対象になるため、市場に出回る数や買い手の数もモダンコインとは比にならない多さです。ただし、注目される国、年代、テーマ、コインの種類などはある程度、特定のコインに絞られてきます。数あるコインの中から、とくに需要が高い人気があるコインを選ぶ必要があります。
モダンコインの需要・人気度
モダンコインの場合は、まだそこまで年月が経っていないため、比較的に入手しやすいのが特徴で需要はそこまで高いとはいえません。これから時間をかけて現存数の減少、需要・人気が高まるのを待たねばなりません。人気があるモダンコインの中には、発売と同時に売り切れるケースもありますが、取引状況はアンティークコインに比べればかなり緩慢です。
しかしながら、モダンコインの中にも発行数が極めて少なく、人気がありすぎて、ごく短期間でも価格高騰が見られるコインがあります。数が限定されたエラーコインに法外な値がつくこともあります。年代が限られているだけに、注目のコインや人気のコインが探しやすいのがメリットです。
違い3.コイン投資としての価値・価格
最後にコイン投資をするうえで最も気になるのが、将来的に価格は上昇するのか、投資価値はどうなのか、ということです。アンティークコインとモダンコインを投資としての価値・価格の面から比較していきましょう。
アンティークコインの投資としての価値・価格
アンティークコインの場合は年月とともに現存数が低下して入手が難しくなるため、比較的、価値・価格が上昇しやすい傾向にあります。過去に製造されたコインは、もう2度と同じコインを製造することができないからです。年代が古いもの、人気があるもの、グレードがよいもの、入手が難しいコインは数千万円、時には数億円で売れる可能性があることが最大の魅力となっています。
アンティークコインの価値や価格は上昇しやすいかわりに、すでに現代においては高値で入手が難しいものも数多くあります。さらなる値上がりが期待できるとしても、簡単には手が出せないことがデメリットだといえます。また、アンティークコインは古いだけに、劣化がひどいものや偽物を購入してしまうリスクがあることも注意しておきたい点です。
モダンコインの投資としての価値・価格
そこまで年月が経っていないモダンコインは、未使用のものやグレードが高いものが比較的に安価で購入できることが大きなメリットです。ケース付き、証明書付きでも販売当初とさほど変わらない価格で購入できるコインも数多くあります。
これからの値上がりが期待できるコインを比較的に安価で購入しておけば、数年後に高い値がつく可能性もあり、投資価値は未知数だといえます。発行数や人気度によっては5年未満でも価格が数倍に跳ね上がるコインもあります。コインのテーマや人物が遠い過去の話ではないため、幅広い層に売買ニーズが拡がり短期間でも価格上昇が狙えることがモダンコインのもう1つのメリットです。
まとめ
モダンコインとアンティークコインはどちらが収集価値が高いのか、結論はどちらの場合でも選ぶコインの種類によるため一概にはいえないところです。ただ、コインの選びやすさや購入のしやすさから判断するならばモダンコインの方が取り組みやすい傾向にあります。
しっかりと時間をかけて、歴史を学びながら慎重に自分でコインを選びたい方はアンティークコイン。自分ではまだ選ぶ自信がない方、ひとまずは幅広く知られているコインを入手しておきたい方はモダンコインから始めるのがおすすめです。
コイン投資は基本的に5年、10年以上と気長に付き合っていく投資方法です。最終的な判断は、そのコインを手にすることで自分自身が嬉しいと思えるか、眺めるだけでも幸せな気持ちになれるかどうかが大切です。希少性、人気度、グレードと多方面からコインの将来性を検討したうえで、後悔しない一生の宝と思えるようなコインを選ぶようにしましょう。