1984年エリザベス2世5ポンド金貨とは?コインの種類や価格相場
アンティークコインで人気のエリザベス2世は、実に数え切れないほどの種類のコインがあります。まずは手堅くソブリン金貨を購入しておきたいと考えた時に、どの年代、どのタイプがよいのか迷ってしまいますよね。
そこで、ソブリン金貨を購入したい方に、ぜひご紹介したいのが1984年のエリザベス2世5ポンド金貨です。
今回は、1984年とその他の金貨を比較するために、最初にエリザベス2世金貨の種類をご紹介します。さらに、エリザベス2世の人物像、具体的なコインの詳細に迫っていきたいと思います。ぜひ参考にして頂ければ幸いです。
1984年エリザベス2世5ポンド金貨、ヤングエリザベスとは?
▲1984年エリザベス2世5ポンド金貨(通称:ヤングエリザベス)
1984年エリザベス2世5ポンド金貨に描かれているエリザベス2世の肖像はヤングエリザベス・アーノルドマーティン版と呼ばれるタイプのもので、当時のエリザベス2世の美しさを見事に表現した傑作の1つです。
コインに描かれたエリザベス2世の肖像は年代によっていくつかタイプがあります。最初にエリザベス2世コインの種類を大まかに見ておきましょう。
エリザベス2世コインの種類
エリザベス2世が即位してからこれまでの間に5種類の肖像がコインに刻まれてきました。
1953年~1968年/ヤングエリザベス・メアリーギリック版
エリザベス2世の最初のコインで、デザイナーはメアリー・ギリックです。20歳で即位した若い君主として少女の面影が残りつつも気品高き肖像です。
1968年~1984年/ヤングエリザベス・アーノルドマーティン版
次に製造されたのがアーノルド・マーチン作のエリザベス2世コインです。君主としての実績を積み始めたエリザベス2世の誇らかでかつ美しい肖像です。
1985年~1997年/ラファエル・マクルーフ版
3作目のエリザベス2世コインはラファエル・マクルーフによるデザインです。年齢を重ね自信に満ちた女王の表情が魅力的なコインです。
1998年~/イアン・ランク・ブロードリー版
続いてこちらは壮年に達したエリザベス2世です。デザイナーはイアン・ランク・ブロードリー。凛々しく美しい女王の肖像で貫禄さえ見受けられます。
2015年~/ジョディ―・クラーク版
そして2015年以降は高年を迎えたエリザベス2世の肖像がジョディ―・クラークによって描かれました。高年にありながらも毅然とした気品ある女王の横顔です。
1984年エリザベス2世5ポンド金貨が人気な理由
5つのタイプのソブリン金貨がある中、1984年エリザベス2世金貨が人気な理由は2つあります。
まず、アーノルド・マーチン作のコインはエリザベス2世の美しさと高潔さを見事にモダンなテクニックで表現していることです。上記の写真はアーノルド・マーティンによるエリザベス2世の彫像とスタンプです。
コインとスタンプに彼の作品が出現した時には、多くのコレクターや投資家を狂喜的に絶賛させました。現在でもエリザベス2世シリーズでは一番人気のデザイナーです。
もう1つの理由は1984年の5ポンド金貨の発行数が少ないことです。アーノルド・マーチン版のコインは10年間に渡って製造されましたが、1984年にはプルーフ金貨のみの製造となり希少価値が高いため値上がりが期待できます。
エリザベス2世の人物像
エリザベス2世は父にジョージ6世、曾祖母にヴィクトリア女王を持つサラブレッドで、1952年にジョージ6世の死去にともない王位に就きました。2020年現在で在位期間は68年、94歳です。
では、エリザベス2世の人物像を垣間見ておきましょう。
美しいエリザベス2世
今でこそエリザベス2世は史上最長の高年の君主として名高い人物ですが、27歳の若さで即位した当時は、その輝くばかりの美しさに世界中の観衆を虜にした人物でもあります。
エレガントでスタイリッシュな装いと身のこなしで、華やかに登場した若く美しいエリザベス2世は2つの大きな戦争で荒廃した世界中の人々に夢と希望を与える存在だったのです。
若い時は社会進出に挑む女性のシンボルとして、高年になってからは高齢でも働く母や祖母のシンボルとして、国境を問わず世界中で尊敬と憧れ、親しみを持たれている英国君主なのです。
ロイヤルミントのブランド性を飛躍させた!?
ため息が出るほど美しいエリザベス2世の肖像は、コインやスタンプで一躍ロイヤルミントのブランド性や人気度を飛躍させました。
これまでは、コレクターや投資家など特定の層に限られていたコインやスタンプでも、エリザベス2世が刻印されているだけで、一般層でも幅広く購入されるようになったのです。
コインやスタンプだけに限らず、エリザベス2世の肖像・紋章やイラストは宝飾品、食器、コーヒーカップやステーショナリーなどプロダクトデザインのモチーフとしても使われています。
1984年エリザベス2世5ポンド金貨を徹底解説!
数々のエリザベス2世コインがある中、1984年5ポンド金貨はアンティークコイン投資の対象として見逃せない1枚です。
1984年エリザベス2世5ポンド金貨について詳しく解説していきます。
概要・特徴
エリザベス2世ソブリン金貨の第2期目のデザインは1974年にアーノルド・マーチンで幕を開けました。第一期目の肖像のオリーブのリースをかぶったエリザベス2世から、パール装飾のティアラをかぶったエリザベス2世へと煌びやかに変貌しました。
- 金の純度:22K
- 金の重量:39.94g
約10年間に渡って製造されたアーノルド・マーチン版のソブリン金貨は1984年が最後の年になります。裏面のデザインはソブリン金貨でお馴染みのベネディット・ピストルッチの「STジョージとドラゴン」です。
もともと5ポンドプルーフ金貨は1980年~1984年のわずか4年間しか製造されていないことに加えて1983年と1984年はプルーフ金貨のみ、1984年5ポンド金貨の発行枚数は8,000枚と少ないのが特徴です。
また、1984年は記念コインとして普段の使用されるコインと判別される「U」の頭文字が年代の右側に刻印され始めた年でもあります。Uマーク刻印入りのアーノルド・マーチン版は1984年のみとなることも、このコインの価値を押し上げる理由になるでしょう。
コインの魅力
5つのタイプのエリザベス2世の肖像がある中でも、とくにアーノルド・マーチン版はエリザベス2世が最も美しく開花した最盛期を象徴するコインです。その多のタイプに比べて豪華絢爛な女王のイメージを与えてくれるのが大きな魅力となっています。
華やかさと格調高い美しさ、かつ友好的なエリザベス2世の人柄を斬新でスタイリッシュなデザインにて実現している傑作の1つだといえるのです。
また、発行枚数が少ない1984年の5ポンドプルーフ金貨は、デザイン的に魅力があるだけでなく、希少価値も高いコインです。年数が浅いコインであるにもかかわらず、すでに価格は高騰し始めています。
過去の落札価格
最後に、1984年エリザベス2世5ポンド金貨の過去の落札価格を参考までにご紹介しておきたいと思います。
2003~2004年にかけて鑑定付き67のグレードで落札価格は5万円程度。その後2009年の5年後には、鑑定無しの未使用品で2倍以上の13万円の値がついています。
さらに2017年には同グレードにて34万円に値上がり、2018年には市場への流入度が増えたためか20万円前後に一旦価格が下がっています。
そして、2019年になるとまた入手が困難になったようで価格は25万円~35万円の落札価格に戻ります。2020年現在では鑑定付きの69のグレードにて25万円~35万円程度で落ち着いているようです。
時期によって多少の価格変動はあるものの、最近ではオリジナルケース付きが50万円以上で落札されています。まだまだこれから値上がりの余地は大きいコインです。
参考:オークション価格の参照サイト
Coin Fact Wiki / acsearch / CHSRDS / NumisBids
まとめ
エリザベス2世コインは非常に種類が多いので、投資価値が高い1枚を選ぶことが大切です。希少価値の高さや図柄の美しさ、人気度、その年代にしか見られない特徴を掴むことが成功のポイントになります。
1984年エリザベス2世5ポンド金貨は、この金貨ならではの魅力が満載。数年おきに価格がジャンプする傾向にあります。まだ今なら、完全未使用のコインでも比較的に入手しやすい価格です。5年、10年とじっくり待つことで数倍以上に値上がりしたら、それこそ投資の醍醐味です。こんなに嬉しいことはないですよね。
ぜひ、この機会に1984年エリザベス2世5ポンド金貨でアンティークコイン投資を成功させていきましょう!