ダイアナ妃追悼の金貨・記念コイン|プルーフ金貨・銀貨

 

世界に存在する王室の中でも、伝統と格式で筆頭にあげられるのが英国王室です。その英国王室に嫁ぎ、1997年に36歳の若さで亡くなったダイアナ妃。たぐいまれなる美貌、華やかなファッションだけではなく、夫婦の確執や人道的な活動などさまざまな面から常に注目されていたプリンセスでした。チャールズ皇太子と離婚後も、一挙一動がニュースに取り上げられ、亡くなった後には追悼のコインも発行されました。今日は、ダイアナ妃追悼コインについてご紹介したいと思います。

 

 

ダイアナ妃とは

まず、ダイアナ妃とはどんな女性であったのか簡単にまとめてみましょう。

 

ダイアナ妃の出自

今でこそ王室に嫁ぐのは民間人がメジャーとなりましたが、1981年に20歳で12歳年上のチャールズ皇太子に嫁いだダイアナ妃は、英国の古い貴族出身です。実家のスペンサー家は18世紀に伯爵に叙爵されていますが、たどっていけばチャールズ2世の子供たちまでさかのぼることができます。

 

結婚後のダイアナ妃

チャールズ皇太子との間にウィリアムとヘンリー(通称ハリー)という2王子をもうけ、順風満帆に見えたダイアナ妃の宮廷生活でしたが、夫チャールズ皇太子の不貞に悩まされゴシップ誌のニュースになることが多く、結婚は1996年に破綻。私生活の不幸とは別に人道的な活動に力を入れ、離婚後も英国民の間で人気は絶大でした。

その翌年1997年、パリで事故により亡くなり世界中に衝撃を与えました。

 

ダイアナ妃追悼の5ポンド金貨(1999年発行)

 

36歳という若さで亡くなったダイアナ元妃への英国民の哀惜は深く、その世論に押される形で1999年、英国のロイヤルミントは追悼コインを発行しました。発行数は7,500枚。希少性の高さでも知られています。ダイアナ妃ファンが狂喜した、その5ポンド金貨について詳細を見ていきましょう。

 

プリンセス・ダイアナのデザイン(表面)

ショートカットが魅力的であったダイアナ妃の横顔が彫られた表面。デザインを担当したのは、彫刻家のデヴィッド・コーネルです。元妃が右向きの胸像は非常にシンプルな線でデザインされ、高い鼻梁が貴族的です。彼女を囲むように、「In Memory of Diana Princess of Wales(プリンセス・オブ・ウェールズであるダイアナ妃を偲んで」という文言を見ることができます。1961-1997という生没年も見えます。

 

PRINCESS OF WALES(プリンセス・オブ・ウェールズ)の意味

コインに彫られたダイアナ妃の称号であり、英国王室を語る際によく耳にする「プリンス・オブ・ウェールズ」にはどんな意味があるのでしょうか。

 

欧州の古い王室には、伝統的に後継ぎとなる王子女に与えられる称号があります。たとえばスペイン王室には、後継ぎに与えられる「アストゥリアス公」の称号があります。英国の場合は、「プリンス・オブ・ウェールズ」がこれにあたるのです。

 

歴史を紐解けば、14世紀初頭にウェールズ地方を征服したエドワード1世が息子のエドワード2世にこの称号を与えたことが始まりとされています。現在でも、プリンス・オブ・ウェールズの称号の授与式は、ウェールズのカナーヴォン城で古式ゆかしく行われます。皇太子の妻となった女性には、自動的に「プリンセス・オブ・ウェールズ」の称号が与えられるのです。

 

ちなみに、チャールズ皇太子と離婚したダイアナ妃は「HRH(妃殿下)」という称号を失いました。しかし、「プリンセス・オブ・ウェールズ」という呼称を使うことは女王から許可されていたのです。今も英国王室の公式サイトには、「プリンセス・オブ・ウェールズ・ダイアナ」として紹介されています。チャールズ皇太子の現在の妻カミラ妃は、世論を考慮してこのプリンセス・オブ・ウェールズと名乗ることを辞退、公式にはコーンウォール公爵夫人で通しています。。



エリザベス2世のデザイン(裏面)

ダイアナ妃にとっては姑であった女王エリザベス2世。女王の肖像画が、このコインの裏面に刻まれています。称号とセットのように目にする文字「ELIZABETH・II・D・G REG・F・D」、これはラテン語の略で「ELIZABETH II DEI GRATIA REGINA FIDEI DEFENSATRIX(エリザベス2世、神から祝福された信仰の守護者)」の意です。

表面のダイアナ妃がショートカットでモダンなデザインなのに対し、重々しい格式を感じる女王の姿も魅力的です。

 

ダイアナ妃没後20周年5ポンド金貨(2017年発行)

2017年は、ダイアナ妃の20年忌でした。今なお追慕される妃の没後20年を記念したコインが発行されています。

 

不変の人気を誇る「英国の薔薇」

その華やかな容姿から、「英国の薔薇」と称えられたダイアナ元妃の人気は死後20年を経ても不滅。オーストラリアで20年忌に発行されたプルーフコインのデザインは、1999年と同様にデヴィッド・コーネルが担当しています。

5ポンド金貨のほか、1オンス銀貨も登場しこちらも入手が難しいほどの人気を誇ります。1999年のデザインと比較すると、生没年の数字が移動しよりダイアナ妃の肖像画が中心に配されているのがわかります。

 

ダイアナ妃をテーマにしたその他の人気のコイン

その容姿の美しさはコインのデザインとなっても変わらないダイアナ妃、彼女が写されたコインは人気があります。

その例のひとつが、1981年のチャールズ皇太子との成婚記念のコインです。結婚は破綻してしまいましたが、2人の肖像が重なるデザインは現在も高値がつく人気。

2人の肖像画をデザインしたのは、アメリカ貨幣協会(American Numismatic Association)から受賞歴のあるフィリップ・ネーサンです。

裏面の若々しいエリザベス2世は、彫刻家として高名であったアーノルド・マシンの手によるもの。

現英国王室のメンバーたちの若い肖像画を眺めるのも一興ですね。

 

ダイアナ妃追悼の金貨について知ろう

1997年に悲劇の死を迎えたダイアナ妃、短くもドラマチックな生涯は多くの人々の心の中にまだ生き続けています。30代半ばの死であったために、若々しい美貌はそのまま私たちにイメージとして定着しました。その肖像を刻んだダイアナ妃のコインは、コインコレクターならずとも惹かれるような魅力があります。離婚して英国王室を離れたにもかかわらず、プリンセス・オブ・ウェールズと呼ばれ続ける気高い女性の記念として、ぜひご興味をもって見ていただきたいと思います。