ハリウッドスターから「公妃」へ!グレース・ケリーとモナコ大公の世紀の結婚10周年を記念した美しいコイン


「クールビューティー」と呼ばれ、今でも伝説的な美貌をうたわれたスター、グレース・ケリー。

女優としての最盛期に引退し、モナコ大公レーニエ3世と結婚しました。

モナコ大公夫妻ご成婚結婚10周年記念200フラン金貨とはどんなコインなのでしょうか。発行された時代背景とともに、詳しく解説します。

1966年にモナコ公国で発酵された200フラン金貨は、おとぎ話の主人公のような2人のご成婚10周年を記念したコイン。幸福な家庭生活を営んでいた2人の姿が、コインに刻まれています。

▲ウエディングドレスをまとったグレース・ケリー公妃とレーニエ3世の結婚式の様子

モナコ公国 レーニエ3世 結婚10周年記念 200フラン金貨

基本データ

コイン名 モナコ公国 レーニエ3世 結婚10周年記念 200フラン金貨
通称 モナコ レーニエ3世 結婚10周年 200フラン金貨
発行年 1966年
モナコ公国
額面 200フラン
種類 金貨
素材
発行枚数 通常発行 5,000枚|プルーフ 1,000枚
品位 Gold (.920)
直径 35mm
重さ 32g
統治者 レーニエ3世
デザイナー Simon
カタログ番号 X# M2, Gad# MC167
表面のデザイン レーニエ3世とグレースケリーの頭部
表面の刻印 GRACE • RAINIER III DE MONACO G.S 1966
裏面のデザイン モナコの紋章
裏面の刻印 X EME ANNIVERSAIRE MARIAGE 200 F (結婚10周年 200フラン)
エッジのタイプ ミルド
エッジの刻印 -

モナコ公国レーニエ3世&グレースケリーご成婚10周年記念 200フラン金貨とは?

グレース公妃とレーニエ3世のノーブルな横顔が印象的なご成婚10周年記念金貨。美しいコインを解説します。

▲今もモナコの海を望むレーニエ3世の胸像*

コインに描かれた大公夫妻の横顔

結婚10周年を迎えた1966年、レーニエ3世は43歳、グレース公妃は38歳。欧州の貴族らしい気品ある夫妻が、横顔で描かれています

大公夫妻を囲む文字も見てみましょう。

GRACE • RAINIER III DE MONACO(モナコのグレース、レーニエ3世)

夫妻の肖像の横に刻まれている「G.S」の文字は、彫刻師のGeorges Simonのサインです複雑で美しいモナコ大公家の紋章

複雑で美しいモナコ大公家の紋章

▲フランチェスコ会の修道士の姿に変装し、男たちを率いて当時ジェノヴァ領だったロシェの門前に現れたフランソワ・グリマルディの像*

 グリマルディ家はイタリアのジェノヴァに起源をもつ貴族です。ジェノヴァの紋章は、聖ゲオルギウスに由来する白地に赤い十字架がデザインされています。そのため、ジェノヴァに関連する貴族の多くは赤と白を用いる傾向があり、グリマルディ家も同様です。赤と白の盾が中心にあります。

▲王宮に飾られている紋章*


紋章に首飾りのように描かれているのは、モナコの聖シャルル騎士団の勲章。

紋章の中で特に印象的な2人の僧は、フランシスコ修道会の制服を身につけています。モナコ建国の際、フランシスコ修道士に扮した兵が活躍したという伝説にちなんでいます。

ご成婚10周年を意味する文字

モナコ大公家の紋章を囲むように刻まれている文字も見てみましょう。

X EME ANNIVERSAIRE MARIAGE(ご成婚10周年)

そして紋章の下に大きく200フランの文字があります。

直径35mmの大きめのコインの中央に絵がコンパクトに収まり、文字がバランスよく配されているのが印象的です。

モナコ公国 レーニエ3世&グレースケリー ご成婚10周年記念 200フラン金貨が作られた当時の時代背景

レーニエ3世とグレース・ケリーが結婚10周年を迎えたころ、モナコはどんな状況だったのでしょうか。

モナコの歴史とともに解説します。

モナコの歴史

モナコといえば、地中海を背景に佇む風光明媚な国。2平方キロメートルほどの国土に、3万6千人が住んでいます。ヴァチティカン市国に次いで、世界で2番目に小さい国です。

5月にはF1モナコグランプリも開催されることで有名です。

モナコには旧石器時代の遺跡も残るほど、古い歴史があります。古代ギリシア時代、モノイコス(ヘラクレスの神殿)があったことが、モナコという国名に由来になったといわれています。

現在の大公家であるグリマルディ家がモナコに要塞を築いたのは、1215年頃のこと。

中世はジェノヴァ共和国の支配下にあり、その後はスペイン、フランス、サルデーニャ王国と、さまざまな強国の影響を受けてきました。

1861年にフランスの保護下で独立し、保養地として世界の富裕層が集まる国になりました。

▲富裕層の大型クルーザーも多数停泊するモナコの港*

銀幕のスターと大公の結婚

ノーブルな美貌と格調高い演技で知られていたスター、グレース・ケリー。一国の公妃となるまでの足跡を追います。

アメリカで生まれ、高校卒業後は舞台女優として活躍していましたが、その才能をハリウッドに見出されました。映画監督アルフレッド・ヒッチコックに気に入られ、いくつもの作品に出演しました。そして、クールな外見とは異なる情熱的なグレースのことを、ヒッチコックは「雪に覆われた活火山のようだ」と表現したといわれています。

1955年5月4日、アカデミー賞受賞女優であるオリヴィア・デ・ハヴィランドは、カンヌ国際映画祭に出席するためパリから列車でカンヌに向かっていました。そしてその列車には、映画祭に招かれていた女優グレース・ケリーと、レーニエ大公が。
オリヴィエがレーニエ大公にグレースを紹介したことが二人の始まりだったそうです。

シンデレラストーリーのような結婚式を挙げたのは、その翌年の1956年。グレースは「王妃」と呼ばれることもありますが、実際には「公妃」です。

10周年記念金貨が発行された年には、カロリーヌ、アルベール2世(現大公)、ステファニーの3児に恵まれており、幸福な家庭を築いていたといわれています。

エルメスを代表するバッグ「サック・ア・クロワ」、通称「ケリーバッグ」として親しまれているバッグの名前の由来は、グレース公妃がカメラを向けられた際、妊娠中のお腹を咄嗟に隠したバッグであったことが由来です。

 

グレース公妃の悲劇的な死とその後のモナコ

グレース公妃はさまざまな慈善事業に力を入れ、モナコ国民に敬愛される存在でした。結婚後もヒッチコックから映画出演依頼を受けていたといわれています。しかし彼女は、公妃として母としての人生を選び、再び銀幕に登場することはありませんでした

▲グレース公妃の死を伝える当時の新聞

1982年、グレース公妃は自動車事故で死亡。夫のレーニエ3世は、2005年に亡くなりました。

現在はグレース公妃の息子アルベール2世が大公位にあるほか、2人の娘の子どもたちもモナコのイベントに登場します。グレースの遺伝子を次いで俳優のような美貌をもつメンバーもいて、世界のメディアから注目される存在です。

▲今も美しく供えてあるグレース・ケリー公妃の墓碑

 

モナコ公国 レーニエ3世&グレース・ケリー ご成婚10周年記念 200フラン金貨の種類・その他のコイン

1966年にモナコ公国レーニエ3世大公夫妻の結婚10周年を記念して発行された金貨。モナコで発行された魅力的なコインは、そのほかにもあります。いくつかの例をご紹介します。

レーニエ3世結婚10周年記念 10フラン銀貨

1966年、200フラン金貨同様に大公の結婚10周年記念として発行されたコインに、10フラン銀貨があります。直径37mmの大きめのコインは、デザインが金貨と少し異なります。

グレース公妃とレーニエ3世の横顔は、金貨と同じ。裏面は、大公冠をかぶったシンプルなグリマルディ家の紋章。両側に刻まれた「10F」の文字によって、バランスの良い三角形の構図となっています。

レーニエ3世 10セント金貨

1962年に発行されたレーニエ3世の10セント金貨。大公の単独の横顔と、モナコ建国の逸話が表と裏に描かれています。

グリマルディ家の紋章を手にしたフランシスコ会修道士は、縄の帯が特徴の修道服を身につけています。モナコ公国のモットー「DEO JUVANTE(神のご加護とともにあり)」の文字にも、気品を感じます。

アルベール1世 100フラン金貨

レーニエ3世の曽祖父アルベール1世がデザインされた100フラン金貨。19世紀後半から20世紀初頭に発行されました。

海洋学のパトロンであり、自身も海洋学者であったというアルベール1世。知的な横顔の肖像画が印象的です。大公冠の下に描かれた紋章は月桂樹とオリーブの枝で装飾され、「DEO JUVANTE(神のご加護とともにあり)」というモナコのモットーが記されています。

 

モナコ公国 レーニエ3世 結婚10周年記念 200フラン金貨の価格推移

地金に近い価格での取引も多く、ヨーロッパの近代金貨の中でも比較的手に入りやすい価格帯で見つけることができます。

若く美しい二人を祝福する大型金貨の価格推移を見てみましょう。

MS65

2022年11月4日に$1,980で落札。


MS68

2021年5月27日に$2,280で落札。

パラマウントコレクションより。

PR66 Ultra Cameo 

2021年5月27日に$4,320で落札。

パラマウントコレクションより。

通常(MS評価のもの)発行とプルーフを両方集めるのも、粋な収集方法ではないでしょうか。

PF64が2015年1月14日に$1,350で落札されていますが、やはり人気のコインは年々値上がりの傾向があります。

 

地中海の小国で繰り広げられた物語をコインで愉しもう

亡くなって40年以上たった今も、伝説的な美貌で存在感を放つモナコのグレース公妃。ハリウッドスターから公妃となったグレース・ケリーの幸福な時代が反映されたコインが、ご成婚10周年記念200フラン金貨です。

ハリウッドから由緒あるヨーロッパの名門へと舞台を変えても輝き続けたグレース公妃は、今も女性たちの憧れ。

その輝きをぜひ手元に置きたいという方も多いのではないでしょうか。

小国モナコの豊かさを示すレーニエ3世&グレース公妃の記念コインにご興味を持ったら、ぜひアンティークコイン ギャラリアにご相談ください。

(今回、写真の後ろに*印があるものはれーこ撮影の写真素材です)

 

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