クイーンの記念コイン(Music Legends)を英国王立造幣局が発行!2オンス金貨は世界限定50枚
英国王立造幣局ロイヤルミント(The Royal Mint)が2020年1月20日に「ミュージック・レジェンズ・コレクション」として、イギリス出身の大人気ロックバンドである「QUEEN(クイーン)」の記念コインを発行しました。
イギリスのバンドが英国の記念硬貨としてフィーチャーされるのは、史上初の出来事。2オンス金貨は53枚限定で発行され、うち3枚はクイーンのメンバーに贈呈されています。
この記事では、クイーンの歴史を振り返りながら、クイーンの記念コインの詳細について解説します。
QUEEN(クイーン)はどんなバンド?
クイーンは、1971年にイギリス・ロンドンで結成されたロックバンドです。1970年代前半のハードロックブームの中でデビューし、音楽性を変化させながら世界で成功しています。
クイーンの記念コインの解説の前に、クイーンというバンドについて簡単に振り返ってみましょう。
世界トップクラスの知名度を誇る英国発のロックバンド
独自の音楽スタイルと、革新的なアプローチで、1971年の結成から徐々に世界的な人気ロックバンドまで昇りつめたクイーン。結成以来、数十年にわたって新しい世代のミュージシャンに影響を与え続けています。
メンバーは、リード・ボーカルのフレディ・マーキュリー、ギターのブライアン・メイ、ベースのジョン・ディーコン(故)、ドラムのロジャー・テイラー(故)の4人です。
クイーンといえば4作目のアルバムに収録された「ボヘミアン・ラプソディ(Bohemian Rhapsody)」が有名です。1975年当時はまだオーソドックスではなかった6分間の長尺のシングルをリリースしたことで、時代を切り開いたともいえるでしょう。「ボヘミアン・ラプソディー」は結果的に全英で9週連続1位という快挙を成し遂げました。
「ボヘミアンラプソディー」といえばオープニングの音色が非常に有名ですが、実は、今回発行されたクイーンの記念コインにオープニングのキーが押されたピアノの鍵盤のデザインがほどこされているのです。これは、ロイヤルミントの硬貨デザイナーであるクリス・フェイシーによるデザインです。
クイーンの記念コイン
では改めて、2020年1月20日にロイヤルミントから発行されたクイーンの記念コインについて解説します。
クイーンの記念コイン発行の背景
今回のクイーンの記念コインは、英国音楽の革新と成功をたたえる目的でロイヤルミントから発行されています。今回のコラボは、ユニバーサルミュージックグループの管理会社である「BRAVADO」が企画・進行を行いました。
この英国音楽の功績を祝う記念硬貨シリーズは、第3弾まで予定されており、2020年12月現在でクイーンのほかに、エルトン・ジョンの記念コインが発行されています。第3弾は、デヴィッド・ボウイです。
▼Music Legends
https://www.royalmint.com/our-coins/events/music-legends/
クイーンの記念コインのデザイン
今回のクイーンの記念コインのデザインには、ブライアン・メイが6ペンス硬貨で奏でるの「レッドスペシャル」のギター、フレディー・マーキュリーが「ボヘミアン・ラプソディ」のオープニングの音が押されたベヒシュタイン・グランドピアノの鍵盤、ジョン・ディーコンのフェンダー・プレシジョン・ベース、そして、クイーンの紋章入りのロジャー・テイラーのラディック・バス・ドラムが描かれています。
デザインは、クイーンのメンバー4人の貢献を讃え、祝うものとなっており、ロイヤルミントのデザイナーであるクリス・フェイシーが手がけました。
バンドのロゴは、記念コインの中央に描かれており、フレディー・マーキュリーのマイクスタンドが象徴的なデザインになっています。
クイーンの記念コインの種類・価格
このコインは、複数のバージョンが展開されています(以下、クイーンの記念コインの一例)。
- 5ポンド ケース①(Brilliant uncirculated):13ポンド
- 5ポンド ケース②(Brilliant uncirculated):15ポンド
- 5ポンド ケース③(Brilliant uncirculated):15ポンド
- 5ポンド ケース④(Brilliant uncirculated):15ポンド
- 1/2オンス銀貨:60ポンド
- 1オンス銀貨:90ポンド
- 1/4オンス金貨:510ポンド
- 1オンス金貨:2,100ポンド
上記の通り、クイーン記念コインの価格は13ポンドの限定品から、2,100ポンドの金貨までさまざま発行されています。このほか、限定53枚で2オンス金貨等も発行されています(うち3枚はクイーンのメンバーに贈られた)。
余談ですが、2020年8月にクイーンの2オンス金貨がオークションに出品され、約22,000ポンドで落札されていました。日本円にして、約305万円。今後の動向に注目です。
詳細は、ロイヤルミントの公式サイトをご確認ください。
https://www.royalmint.com/our-coins/events/music-legends/queen/
クイーン記念コイン発行に対するメンバーのコメント
今回の記念コイン発行にあたり、クイーンのメンバーであるブライアン・メイが以下のようなコメントを残しています。
「『だれがこんなことが起きるって想像できただろうか』それくらい重大なこと。ぼくらがクイーンをはじめたばかりの頃は『人々に認めてもらう』という最初の1歩すら遠いことのように思えていたよ。いま、ぼくらのバンドが認められ、ぼくらの音楽がこのように讃えていただけることに感動している。光栄です」
また、ロジャー・テイラーは以下のようにコメントしています。「最近のクイーンに起きていることが凄すぎて、ぼくはもうだめだよ(笑)」
英国王立造幣局の最高責任者二コラ・ハウウェルのコメント
クイーンの記念コイン発行に際して、英国王立造幣局の二コラ・ハウウェルは以下のようなコメントを残しています。
「クイーンは、最も影響力のあるバンドの1つで、世界中の何百万人ものファンに愛され続けている。彼らのイギリス音楽界への大きな貢献を、記念コインとして祝うことができて嬉しいです。(中略)今年後半にさらなる「Music Legends」コレクションを発表できるのを楽しみにしています。」
英国王立造幣局のデザイナー、クリス・フェイシーのコメント
クイーンの記念コインのデザイナーであるクリス・フェイシーのコメントを見てみましょう。
「クイーンの最初の思い出は、ボヘミアンラプソディーを聞いたときだ。それ以来ぼくは彼らの大ファンです。クイーンのように桁違いのバンドの功績を讃える記念硬貨のデザインを依頼されたことは、大変光栄で、これは僕が手がけた最初のコインでもあるのでワクワクします。(中略)コインに描かれているクイーンのメンバーの貢献への賛辞を、クイーンのファンの方々にも楽しんでいただけたら嬉しいです。」
クイーンの記念コインまとめ
今回、英国王立造幣局から発行されたクイーンの記念硬貨には、ロックバンドの歴史と栄光、そしてクイーンの功績への賛辞が込められています。
ファンやコレクターからも大人気のコインなので、なかなか手に入りづらいですが、もしクイーンの記念コインを手に入れたいというかたは、一度アンティークコインギャラリアに相談してみてください。コイン探しのお手伝いをいたします。
※本記事は、以下のアンティークコインギャラリアのYouTube動画をもとに作成しています。