古代ギリシアコインの読み方|アンティークコインに刻まれた文字の意味とは?

国内でのギリシアコインへの関心が比較的低い理由の一つは、おそらく銘文を理解するのが難しいことにあると思います。でも実際は、それほど難しいものではありません… (参照:ペニントン、1)

 

 

アメリカのモダンコインは、法律によりコインに多くの文字を含めることが義務付けられています [1]。

 

たとえば、現在のハーフダラーの表面(ヘッド)には23文字の銘があり、裏面(テイル)にはなんと44文字があります。現在のイギリスの10ペンスコインには、表面に22文字、裏面に8文字(「TENPENCE」の表記)があります。

対照的に、古代ギリシアのコインは非常に簡潔的でした [2]。

多くのコインには、銘がまったくありません。これを貨幣学用語では「anepigraphic(無銘の)」と言います。もちろんこれは、ギリシア語由来の言葉です。古代ギリシア語圏の識字率はただ推測する以外はありませんが、ある推定によれば、成人男性の内約5~10パーセントが読み書きできたと思われています(参照:ハリス、114)。ギリシア社会以外でも、一部の文化(ケルト、セム、ペルシア)ではコインの銘にギリシア文字を使用していました。古代ギリシアのコインの銘は、すべて大文字で書かれています。小文字は主に写本等で使用され、ギリシア・ローマの古典期以降に発展したものです [3]。通常、単語間にスペースは入れていませんでした。

 

パネース

イオニア, エフェソス. パネース Phanes. 紀元前625年~600年頃. エレクトロン・スターテル貨 EL Stater (20.5mm, 14.08g). 草を食べる牡鹿, 右向き, まだら模様の毛色は体のくぼみによって示されている. 上部にはΦANOS EMI SEMA (文字は右から左に表示) / 中央の長方形印刻の両側に2つの正方形の印刻, それぞれに隆起した交差線有り. Weidauer 39 = Kastner, Phanes 1 = ACGC 1 = GPCG pl. 1, 9 = BMC 1 (同じ極印と打刻印) ; Linzalone LN1074 = Gorny & Mosch 185, lot 146 (同じ極印と打刻印); Zhuyuetang 7 = Tkalec (2000年2月29日), lot 114. トーン有り. VF. 非常に稀少で重要. Triton XXIII Auction 日時: 2020年1月14日. ロット番号: 350 落札価格: 75,000米ドル. 画像: Classical Numismatics Group.

 

紀元前600年頃、小アジアの古代都市エフェソスのエレクトロン(またはエレクトラム)・スターテル貨(約14グラム)に使用された銘が、ギリシアコインでは最も初期のものであると考えられています。この楕円形のコインには、古代ギリシア文字でΦANOΣ EMI ΣHMA(英字表記:FANOS EMI SEMA)–「我はパネースの記章である」と表記されており、その下には草を食べる牡鹿の姿が描かれています。この希少なコインは、ハーラン・J・バーク著の「古代コイン100選(100 Greatest Ancient Coins)」のリスト内で、第61位(参照:バーク、18)に選ばれています。

 

ちなみに、パネースが誰であるかは不明です。

 

この謎めいたコインは、「話しかける遺物」の一つです。古代には、自己言及する言葉が刻まれた物がいくつか存在していました。それらの中でも最も有名な遺物は、1954年に発見された紀元前8世紀のワインカップ、「ネストールの杯」[4] です。この杯の銘文は、ギリシア語最古のものの一つで、3行からなる文は「我はネストールの杯である、飲むに好適である」と始まっています。コインとカップの銘文は、どちらも「逆方向」です。つまり、右から左に書かれています。ギリシア文字は、ヘブライ語のように右から左に書いたフェニキアの文字を借りたものです。後にギリシア人は、今日の英語のように、左から右に読むことを定めました。

 

私の知る限り、まるで話しかけているかのように自分自身のことを語っている古代コインは他にはありません。

 

コリントスとアテネ

コリントス・スターテル Corinth Stater 紀元前345~307年頃, 銀 AR 21 mm, 8.04g. 飛ぶペガサス 1; 下部, [コッパ (koppa) ]. 裏面にはヘルメットをかぶったアテナの頭部, ネックレスを着けている; 頭部の後方に鳩 1. 花輪の中. Ravel 1029. Calciati, Pegasi 419.  Numismatica Ars Classica > Spring Sale 2020, 2020年5月25日, ロット: 224, 落札: 600スイスフラン (約618米ドル).

 

コリントスのスターテル銀貨には、古代ギリシア文字のコッパ(qoppa)を表す「Ϙ」の一文字のみが印刻されていることが多くあります。ペガサスの図案の下部に見られるこの文字は「コリントの」を意味し、だれがそのコインを作ったかを識別するための、その「民族」の省略記号です。

 

アッティカ, アテネ・テトラドラクマ Athens Tetradrachm 紀元前449年以降, 銀 AR 24mm, 17.18g. オリーブの葉とパルメットで飾られたアッティカの兜を着けたアテナの頭部, 右向き. 裏面, 立っているフクロウ1羽, 右向き; フィールド, オリーブの小枝, 三日月. すべて正方形の印刻内. Svoronos pl. XII. SNG Copenhagen 36. Naville Numismatics Ltd. > Auction 59, 2020年7月26日, ロット: 152, 落札: 420ポンド (約537米ドル).

 

有名なアテネの「フクロウ」コインには、「Athenaion(アテナイ人)」を略した3文字のAθEが印刻されています。古典時代のギリシアでは、作られた場所ではなくそれを作った民族によってコインを識別していました。

 

エウクラティデス&フィリスティス

グレコ・バクトリア王国. 偉大なる王エウクラティデス1世. 紀元前170年~145年頃. テトラドラクマ銀貨 AR Tetradrachm (33mm, 16.81 g, 12h). ダイアデム (冠の一種) を着け, 衣をゆるやかにまとった胸像 / 右向きの後ろ足で立つ馬に乗ったディオスクロイ (ギリシア神話の双子の神), 椰子の葉と槍を持つ; 右側にモノグラム. Bopearachchi 1B; HGC 12, 130. トーン有り, 軽い流通マーク, 裏面はトーンの下にスクラッチ (擦り傷). VF. Classical Numismatic Group > Electronic Auction 469. 2020年6月3日, ロット: 186, 落札: 900米ドル.

 

古代ギリシアのコインによく見られる単語の一つは、ΒΑΣΙΛΕΩΣ(バシレウス、「王」の意味)です。紀元前175年~145年の支配者、バクトリア王エウクラティデスのテトラドラクマ銀貨 [5] が、その良い例です。

 

まれに、ΒΑΣΙΛΙΣΣΑ(バシリッサ、「女王」の意味)という単語が印刻されていることもあります。シラクサの暴君ヒエロン2世(紀元前270年~215年の治世)の妻、フィリスティス王妃が描かれた16リトラ銀貨(13.6グラム)がその素晴らしい例です [6] 。フィリスティス王妃の存在は、コインを通じてのみ歴史に知られています。コインの表面には彼女の肖像が描かれており、裏面には名前、称号、見事なクアドリガ(4頭引きの戦車)が描かれています。

 

シチリア島, シラクサ. ヒエロン2世の妻フィリスティス. 紀元前275~215年. 16リトラ銀貨 AR 16 Litrai (13.60 g, 11h). 紀元前216年~215年頃に製造. ダイアデムとベールで覆われた胸像, 左向き. 右側に星 / BASILISSAS FILISTIDOSの銘, 女神ニケが駆けるクアドリガ (4頭引き戦車) を御している, 右向き, 両手に手綱を握る; 上部に星, 右側にK. Burnett, Enna 34-36 (同じ裏面の極印); SNG ANS 880 (同じ裏面の極印); SNG Lloyd 1545; Gulbenkian 354. EF, トーン有り, 裏面のフィールドに小傷. Ex: New York Sale IV (2002年1月17日), lot 89. Classical Numismatic Group > Triton X, 2007年1月9日, ロット: 101, 落札: 2,600米ドル.

 

ラテン語、ドイツ語、ロシア語、また他のインド・ヨーロッパ語族に属する多くの言語と同様に、ギリシャ語の語尾は文法的機能を担っています。このコインの銘のBASILISSAS FILISTIDOSは、「属格」(所有格)で表されており、「フィリスティス女王の」を意味しています。

 

エウアイネトス

シラクサ, ディオニュシオス1世, 紀元前406年~367年. デカドラクマ Decadrachm 紀元前400年頃, アッティカ基準, 銀貨 Attic standard, AR 43.40g. 彫刻家エウアイネトスの署名がある作品. 表面. 左向きに駆けるクアドリガ, 右手にケントロン (針) を持ち左手に手綱を握る御者により御され, 御者は右側に飛ぶニケにより戴冠されている. 図案下部には, 盾, 2つのすね当ての間に位置する鎧の胸当て, 兜からなる防御用装甲の一式. 裏面. ΣΥ−ΠΑ−Κ−Ο−ΣΙΩΝ / ΕΥ−ΑΙΝΕの銘. ニンフのアレトゥーサの頭部, 左向き, 葦の冠をかぶり, 3つのドロップのイヤリングとネックレスを身に着けている; 周囲に4匹のイルカ; 点線の縁. Numismatica Ars Classica > Auction 74, 2013年11月18日, ロット: 281, 落札: 400,000スイスフラン (約438,596米ドル).

 

シラクサの巨大な(43.4グラム)デカドラクマ銀貨は、名工エウアイネトスの手によって彫られた極印で打たれたもので、多くの貨幣学者からすべての古典ギリシアコインの中で最も美しいものと見なされています。ハーラン・バークの「古代コイン100選」のリストの中では、このコインは第3位(Berk, 44)に位置付けされています。

 

エウアイネトスによって刻まれた極印のいくつかは、EUAINEまたはEUAINETOと、短縮した名が小さな文字で署名されています。キモン、エウクレイダス、プリギロスも極印に署名した古代ギリシアのコイン彫刻家で、他にも名前の最初の数文字でしか知られていない彫刻家もいました [7]。古代のコイン彫刻家(宝石を彫刻したことで知られている人もいます)は、水晶で作られた拡大鏡を使って作品を彫っていた可能性があります。

 

年号の表記

現代では、歴史的な年号をBCE(紀元前)またはCE(西暦)と表記していますが、これはもちろん、古代世界では使われていませんでした。当時は、それぞれ独自の起算法が使用されていました。

 

最も一般的なものの一つは「セレウコス朝時代」で、1年目は紀元前312/311年に相当します(アレキサンダー大王の将軍の1人であるセレウコス1世が、バビロンを再占領した時に始まりました)。

 

ポントス王国, ミトリダテス6世エウパトル テトラドラクマ銀貨 AR Tetradrachm. 紀元前67/66年. ダイアデムを着けた頭部 右向き / 地上線上にペガサス, 左向き, 寝転がろうとしている, 上部にBAΣΙΛEΩΣ, 下部にMIΘPAΔATOY EYΠATOPOΣ; 左側に星が中に入った三日月, 右側にモノグラム, 下部に年号 (231年). De Callataÿ D77/R1a; Paris, BN, Pont 50 = Waddington 131; Burgan, 30 June 1984, 309. 16.44g, 32mm, 12h. Roma Numismatics Ltd > Auction XI, 2016年4月7日, ロット: 471, 落札: 9,000ポンド (約12,685米ドル).

 

ポントス王国のミトリダテス6世は、紀元前297年に始まった「ボスポロス暦」[8] に従ってコインに年号を付けました。紀元前66/67年に製造されたミトリダテスのコインには、231年(ギリシャ数字のΑΛΣ)の年号が付けられています [9]。

 

ティベリウス 西暦14~37年. テトラドラクマ Tetradrachm, 14.67g. (12h). Antioch ad Orontem, Seleucis and Pieria, Year 84 = 35/6 CE. 表面: TIB KAIΣAP ΣE – BAΣTOCの銘, 月桂冠を頂いた頭部, 右向き, ビーズと木管の縁どり. 裏面: ANTIOXEΩΝ Μ – Η – Τ – PΟΠΟΛΕΩ (原文のまま, Cは省略) が囲む, 右下のフィールドにΔΠの年号, 城壁冠を被ったアンティオキアのテュケは岩の上に座っている, 曲がった椰子の枝を前に持つ, 足元には河神オロンテスが泳いでいる, 右向きだが頭は正面向き, 点の縁取り. 裏面の銘はRPC (Roman Provincial Coinage) 4162 (3例), Prieur 61 (4例), およびMcAlee 210 (“Very Rare”, 同じ表面の極印) の変種. 彫刻家は, スペース不足のためにΜΗΤPΟΠΟΛΕΩCの最後の文字を省略. Gemini, LLC Auction IX, 2012年1月9日, ロット: 259, 落札: 12,000米ドル.

 

ローマ帝国の支配下、ギリシア語を話す都市の多くは、その地域独自の紀年法に従った年号をコインに使用し続けました。たとえば、西暦35/36年にティベリウスの治世下発行されたアンティオキアのテトラドラクマ [10] は、紀元前48年にユリウス・カエサルがアンティオキアに自治権を与えた際に始まった「カエサル暦」84年(ΔΠ)と記されています。アンティオキアは、ローマ帝国の東方地域の中で、独自の銀貨を製造することを許可された数少ない自治区の一つです。

 

パルティア

パルティアの王. アルサケス16世, 紀元前78/7~62/1年. テトラドラクマ Tetradrachm (銀, 32 mm, 15.53 g, 1h), チグリス川河畔のセレウキア. ダイアデムを着け, 衣をゆるやかにまとったアルサケス16世の胸像, 左向き. 裏面. BAΣΙΛΕΩΣ – ΜΕΓΑΛΟΥ / APΣAKOY – ΘEOΠATOPOΣ / EYEPΓETOY – EΠΙΦANOYΣ / ΦΙΛEΛΛHNOΣの銘, 射手 (アルサケス1世) が王位に座り, 弓を握る; 上部に弓, モノグラム. Sellwood 30.2 (未知の王 unknown king). Leu Numismatik AG > Web Auction 10, オークション日時: 2019年12月7日, ロット番号: 662, 落札価格: 220スイスフラン (約223米ドル).

 

イラン語派の一つを話す中央アジアのパルティア人は、紀元前3世紀半頃、崩壊しつつあるセレウコス朝の大部分を征服し始めました。権力下にある人々は多くの異なる言語を話していましたが、大半がギリシア語を読むことができたため、パルティアのコインはギリシア語で銘記されていました。

 

パルティアの諸王は、自分の名前に大げさな添え名を付けることに喜びを感じていたようです。極端なケースは、あまり名の知れていない紀元前78年~61年頃の支配者、アルサケス16世です。アルサケス16世のテトラドラクマ [11] の裏面には、彼を称賛する言葉BAΣΙΛΕΩΣ ΜΕΓΑΛΟΥ APΣAKOY ΘEOΠATOPOΣ EYEPΓETOY EΠΙΦANOYΣ ΦΙΛEΛΛHNOΣ(偉大な王アルサケス、神の息子、保護者)が銘記されています。彫刻家は、コインにどうにかこうにか60文字すべてを入れることができました!

 

ユダヤ

ユダヤ, プロクラトル (行政官). ポンテオ・ピラト. 西暦26~36年. プルター青銅貨 Æ Prutah (15mm, 1.64 g, 10h). 皇帝ティベリウスの名において. ティベリウスの治世のRY17 (西暦30年) の年号が付けられている. TIBEPIOV KAICAPOCの銘, 花輪内のリトゥス (楽器)  / LIZ (年号). Meshorer 333; Hendin 1342; RPC 4968. VF, 緑土色調のパティナ有り. Classical Numismatic Group  Electronic Auction 313, 2013年10月23日, ロット: 184, 落札: 240米ドル. 

 

ローマ帝国の支配下、ユダヤ領で使用するために発行された小銭は、ギリシア語で銘記されていました。

 

ティベリウス皇帝の名の下、ポンテオ・ピラト(行政官、西暦26~36年)によって発行された青銅のプルター貨 [12] が、その良い例です。表面にはTIBEPIOV KAICAPOC(ティベリウス皇帝の)の銘文があり、裏面は単にLIZと記されています。このLIZは女性のニックネームではなく、年号です。ティベリウス治下の17年目を表し、西暦30年に当たります。ここでの「L」は通常のギリシア文字ではありません。これは、ETOYC(~の年)という単語の書記略語の一つです。これは、ローマの地方領土のコインによく見られる年号の表記法です。

 

アクスム

アクスム王国. エンデュビス王. 西暦270年~290年頃. 1/3アウレウス金貨 AV Third Aureus (2.73グラム). ENDYBIC BACILEYCの銘、衣をゆるやかにまとった胸像の脇に穀物の穂. 上部に三日月と小球 / AZWMITW BICI DAXY (アクスムの, ダクの男性) の銘, 表面と同様の胸像. Munro-Hay 1; Anzani 1; BMC Aksumite 1. Classical Numismatic Group > Mail Bid Sale 64, 2003年9月24日, ロット: 1243, 落札: 1,600米ドル.

 

現在のエチオピアに位置していたアクスム王国は、サハラ砂漠以南のアフリカで、古代に独自のコインを発行した唯一の国でした。この国の言語はゲエズ語(今でも典礼言語としてエチオピア正教会によって使用されています)で独自の文字もありましたが、コインの銘文はギリシア文字で銘記されていました。

 

エンデュビス王(西暦270年~290年頃)の金貨 [13] は、表面にはギリシア語でENDYBIC BACILEYC(Endubis Basileu)、裏面にはゲエズ語でAΞΩMITΩBICIDAXY(Aksomito Bisi Dakhu)と銘記されています。

 

コレクターのためのギリシア語

コインの銘文(それと、おそらくは陶器のオイルランプに付けられたメーカーのサイン)は、歴史上で最も古い大量生産された文であり(参照:ハリス、14)、重要な史実の源であることが明らかになっています。

現代ギリシア語は、古代ギリシア語と同じアルファベットを使用していますが、発音、語彙、文法は大きく異なっています。古代言語には、異なる方言がいくつかありました。当時「アッティカ」ギリシア語は威信言語でしたが、複雑な文語でした。今日、多くの大学の古典学部でも教えられています。庶民の話し言葉に近かったと考えられているコイネー・ギリシア語は、新約聖書の言語で、現在も聖書研究のために学ばれています。

コインのギリシア語は、もっと簡単に理解することができます。紀元前600年~西暦300年の、コインにとって重要なこの9世紀間では、限られた数の単語、略語、パターンのみがコインの銘文に使われているからです。

1964年に発行された薄い冊子「ギリシアコインの読み方(How to Read Greek Coins)」は、ギリシア語の知識がない初心者にとってとても役立つ本です。中古本であれば、ネットで20ドル未満のものを見つけることができます。

もっと上級レベルの「ギリシアの貨幣碑銘(Greek Numismatic Epigraphy) (1969)」も、ネット検索すれば20ドル未満のものを簡単に見つけることができます。

古代言語をもっと深く学びたいと思っているコレクター向けの優れた教科書はたくさんありますが、「古代ギリシア語を学ぶ(Learn Ancient Greek)(1998)」は、個人的にはなかなか楽しめたものです。

 

 

 

注記

  • [1] リバティー、アメリカ合衆国、E PLURIBUS UNUM、IN GOD WE TRUST、通貨単位および発行年。
  • [2]「ラコニック(laconic:簡潔なの意味)」という言葉は、スパルタ人が住んでいたギリシアのラコニア地域に由来しています。
  • [3] https://en.wikipedia.org/wiki/Greek_alphabet
  • [4] https://en.wikipedia.org/wiki/Nestor's_Cup_(Pithekoussai)
  • [5] CNG Electronic Auction 469、2020年6月3日、ロット186。落札価格 $900 USD(推定価格 $500)。
  • [6] CNG Triton X、2007年1月9日、ロット101。落札価格 $2,600 USD(推定価格 $2,000)。
  • [7] https://www.ngccoin.com/news/article/5527/NGC-Ancient-coins/
  • [8] https://en.wikipedia.org/wiki/Bosporan_era
  • [9] Roma Numismatics Auction XI、2016年4月7日、ロット471。落札価格 £9,000(約 $12,685 USD; 推定価格 £5,000)。
  • [10] Gemini IX、2012年1月9日、ロット259。落札価格 $12,000 USD(推定価格 $15,000)。
  • [11] Leu Numismatik Web Auction 10、2019年12月7日、ロット662。落札価格 220 スイスフラン(約 $223 USD、推定価格 75 スイスフラン)。
  • [12] CNG Electronic Auction 313、2013年10月23日、ロット184。落札価格 $240 USD(推定価格 $150)。
  • [13] CNG Mail Bid Sale 64、2003年9月24日、ロット1243、$1,600(推定価格 $750)で落札。

参照

  • Berk, Harlan J. 100 Greatest Ancient Coins, 2nd edition.(ハーラン・J・バーク、「古代コイン100選」)アラバマ州ペラム(2019)
  • Harris, William V. Ancient Literacy.(ウィリアム・V・ハリス、「古代の識字能力」)。マサチューセッツ州ケンブリッジ(1989)
  • Hartman, John and George Macdonald. Greek Numismatic Epigraphy.(ジョン・ハートマン、及びジョージ・マクドナルド、「ギリシアの貨幣碑銘」)。シカゴ(1969)
  • Jones, Peter. Learn Ancient Greek.(ピーター・ジョーンズ、「古代ギリシア語を学ぶ」)ロンドン(1998)
  • Klawans, Zander. Handbook of Ancient Greek and Roman Coins.(ザンダー・クラワンズ、「古代ギリシアとローマの硬貨ハンドブック」)ウィスコンシン州ラシーン(1995)
  • Melville Jones, John. A Dictionary of Ancient Greek Coins.(ジョン・メルビル・ジョーンズ、「古代ギリシア硬貨の辞書」)ロンドン(1986)
  • Pennington, Paul. How to Read Greek Coins.(ポール・ペニントン、「ギリシア硬貨の読み方」)シカゴ(1964)

 

マイク・マーコウィッツは、ワシントン古代貨幣学会(Ancient Numismatic Society of Washington)の「Second Consul(二等領事)」です。彼は、1993年以来、古代コインの本格的なコレクターです。ウォーゲームデザイナー、歴史家、防衛アナリストでもあり、StrategyPageとDefense MediaNetwork(双方とも軍事関連サイト)に寄稿しています。アレクサンドロス(Alexandros)ゲームをデザインし、1991年の「ベスト・WWII以前・ウォーゲーム(Best Pre-WWII Wargame)」部門で、チャールズ・ロバーツ賞を受賞しました。ニューヨーク州ロチェスター大学で歴史学の学位を取得し、カリフォルニア大学アーバイン校でソーシャル・エコロジー(社会生態学)の学位も取得しました。さまざまな航空宇宙および軍需会社で、テクニカルライター、編集者、トレーナーとして勤務してきました。ニューヨーク市出身。現在は、バージニア州フェアファックスに在住。

 

本記事は、『COINWEEK』の翻訳記事です(掲載許可有り)。元記事は以下のリンクより確認できます。

参考:https://coinweek.com/ancient-coins/reading-ancient-greek-coins/