ソブリン・レアリティーズ・オークションの目玉「ウナとライオン」プルーフ金貨は2088万円
2018年9月25日にロンドンで催されたソブリン レアリティーズ オークション1の目玉は、1839年発行のヴィクトリア肖像金貨、「ウナとライオン」5ポンド金貨だ。貨幣鑑定会社、Numismatic Guaranty Corporation® (NGC®:ヌミスマティック.ギャランティー.コーポレーション)のお墨付きである。
ソブリン・レアリティーズは、このモデルのオークション出品を予定。NGCの鑑定ではPF62カメオとされており、売却価格は12万~15万ポンド(約15万7,000~19万7,000米ドル:約1,780万~2,230万円)の見込みだ。 結果は120,000ポンドで約2,088万円。
今回出品された1839年銘「ウナとライオン」5ポンド金貨は、表(おもて)面に若かりしヴィクトリア女王の横顔が見事に刻まれている。その2年前の1837年は、ヴィクトリア女王の63年に及ぶ統治時代が始まった年だ。肖像を囲む銘文は、ラテン語で”VICTORIA D: G: BRITANNIARUM REGINA F: D:”と打刻されている。「ヴィクトリア 神の恩寵を賜りしブリトン族の女王 信仰の擁護者」という意味だ。
この金貨の裏面デザインの知名度はさらに高い。表面と同様にヴィクトリア女王が描かれているが、イングランド詩人 エドマンド・スペンサーが綴った1590年の長編叙事詩「妖精の女王」の登場人物、ウナ姫がモデルである。
左手に宝珠(ほうじゅ) をたずさえたウナ姫が、傍らを歩むライオンの進む先を右手に持った王笏(おうしゃく) で示している。ラテン語で刻まれた銘文 “DIRIGE DEUS GRESSUS MEOS”は、「主よ、我が歩みを導きたまえ」という意味で、女王が大英帝国を導いていく様子を重ね、その象徴的な場面が巧みにはめ込まれている。
この金貨のデザインを担当したのは、イギリス王立造幣局の貨幣鋳造師長であったウィリアム・ワイオンだ。表面のヴィクトリア女王肖像の首下部分にその名が刻まれている。
ソブリン・レアリティーズ・オークション NGCが鑑定したその他の目玉アイテム:
1675年銘 チャールズ2世 5ギニー金貨 エレファント
NGC鑑定 MS 62+ 最高グレード
評価額:35,000~45,000ポンド(約520万~670万円)
1699年銘 ウィリアム3世 5ギニー金貨 エレファント&キャッスル
NGC鑑定 MS 62 最高グレード
評価額:35,000~45,000ポンド(約520万~670万円)
1677年銘 チャールズ2世 5ギニー金貨 エレファント&キャッスル
NGC鑑定 MS 62+ 最高グレード
評価額:25,000~35,000ポンド(約370万~520万円)
1711年銘 アン女王 5ギニー金貨
NGC鑑定 PF 66 Matte(艶消し)
評価額:25,000~35,000ポンド(約370万~520万円)
1927年銘 ジョージ5世 マットプルーフ クラウン銀貨
NGC鑑定 PF 66 Matte
評価額:28,000~32,000ポンド(約420万~480万円)
Sovereign Rarities Ltd.(ソブリン・レアリティーズ社)の詳細情報・入札はwww.sovr.co.uk
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