持っていたコインの値打ちは10万ドル以上と知り、夫妻は大驚き!

最近発見された1870-CC リバティヘッド・ダブルイーグルはPCGS VF30と格付けされた。 画像はPCGS提供。

PCGSにジョシュア・マクモロウ=ヘルナンデスが執筆

 

鑑定や売却の目的で持ち込まれたコインの価値は、持ち主の期待をはるかに下回っていた。こんな話をコインディーラーから聞いたことがあるのではないだろうか。このようなシチュエーションは、ほぼ全国のコインショップで毎日起こっている。

 

収集家ではない客が持ち込むコインの大半は、ありふれた1940年代・50年代のリンカーン・ウィート・セントや流通済みの1921モーガンダラーが占めているが、ごくまれに、ディーラーにとっても客にとっても嬉しい驚きだったといった話を耳にすることがある。

 

オハイオ州の夫妻のケースが、まさにそれだ。コインのコレクションを相続した夫妻は、数枚のダブルイーグル20ドル金貨をトレド・コイン・エクスチェンジに持って来た。このコインの中に、1870-CC リバティヘッド・ダブルイーグルがあった。わずか3,789枚しか造幣されなかった、10万ドル以上の価値がある超レアなコインである。

 

このコインは、カーソンシティ造幣局が発行した20ドル・ダブルイーグルの中で最も稀少なものである。約41枚が現存していると思われているが、流通していないグレードのものはないと推定されている。ヘリテージオークションでは、2014年にPCGS AU53グレードのものが411,250ドルで落札された。

 

トレド・コイン・エクスチェンジに持ち込まれたダブルイーグルは、最近PCGSによりVF30と格付けされた。同様のグレードのコインは、これまでに20万ドル近くで取引されている。

 

トレド・コイン・エクスチェンジの副社長ニック・カーピンスキー氏でさえ、毎日見かけるようなものではない。

 

「こちらのご夫妻は、20ドル金貨を3枚持ってきました」と、カーピンスキー氏は思い起こす。 「当店の従業員がそれぞれのコインをチェックしていたとき、中に『CC(カーソンシティー)』があったのでそれを脇に寄せておきました」。

 

この金貨の真正性と市場価値が10万ドル以上であることを確認した後、トレド・コイン・エクスチェンジは夫婦に朗報を伝えた。予想もしていなかった金額にとても驚いていたとのことだ。このコインは夫側の親族に残された遺産の一部で、亡くなった両親から受け継いだものだそうだ。

 

「奥さんによると、自宅のあるオハイオ州の小さな町で石油ブームがあったときに、この地域にコインが持ち込まれたのではないかとのことです」と、カーピンスキー氏は言っている。カーピンスキー氏のコインショップは、オハイオ州北西部のトレドエリアにある。オハイオ州は、1850年代後半以来、石油産業が盛んな地域だ。

 

カーピンスキー氏は18年間コインディーラーとして携わってきたが、1870-CC ダブルイーグルほど重要な、もしくは価値の高いコインが、コレクター以外の人の手により店に持ち込まれたことは数少ない言っている。

 

「この5年間で顧客が大喜びしたケースは、米国アッセイオフィス金貨、1856 フライングイーグルセント、1792 ワシントンメダルなどでした」。

 

しかし、1870-CC リバティヘッド・ダブルイーグルは、店に持ち込まれたコインの中でもことのほか際立ったものだ。

 

「少数しか造幣されなかっただけでなく、知られている限りでは50枚以下しか現存しない非常に稀少なコインです。手にするだけでも本当にワクワクしました!」

 

PCGSの社長ブレット・チャービル氏にとっても、この出来事の話はノスタルジックなものである。

 

オハイオ州北中部で生まれ育ったチャービル氏は、「子供のころ、このコインショップに行ったことがあるんです」と、昔を思い起こす。「生まれて初めて訪れたコインショップのひとつで、住んでいた所から1時間くらいで行けました」。

 

カーピンスキー氏だが、結果的にこの金貨を購入することに決めた。

 

このご夫婦はと言えば、そのお金を住宅ローンの完済に当てる予定でいる。

 

本記事は、『COINWEEK』の翻訳記事です(掲載許可有り)。元記事は以下のリンクより確認できます。

参考:https://coinweek.com/us-coins/surprise-couple-finds-out-their-gold-coin-is-worth-100000/