あなたの家の庭にも埋まってる!?埋蔵金を見つけたら!!

皆様、あけましておめでとうございます。

「ナミノリハウス」のブログ、記念すべき新年1記事目は、
景気良く「埋蔵金」で参りたいと思います!!

又七「飯だ、飯だ! こう腹ペコじゃ、ロクな知恵が出ねえ……何だ、こいつ。ちっとも燃え上がらねえや!」
焼べていた薪を投げ捨てる。
チャリン!
太平「ん? なんでえ、ありゃ?」
又七「(延べ棒を取り上げて齧り)ああッ! 金だ!」
(映画「隠し砦の三悪人」より)

落語の中でお宝発見!

古典落語の中に「井戸の茶碗」という噺がある。
貧乏浪人が手放した仏像の中から50両の小判が出て来る。

「仏像は買ったが、五十両買った覚えはない」
「売った仏像から、何が出ても自分の物ではない」

実直な善人同士が、頑固と意地の張り合いで話が進む。
古今亭志ん朝の代表演目として名演が光る。

落語家の高座はネットで気軽に見られるのであるが、
仏像を掌にのせる動きに着目すると、
どうもしっくりこない。

その仏像、
小判が50枚「腹籠もり」した仏像とは思えない。
小さすぎるように感じるのである。

江戸幕府最初の小判、慶長小判のサイズは、
縦72㎜×幅40㎜。
これが小判のスタンダードサイズだ。

台座の下の紙が破れて
50両飛び出して来る穴の大きさとは、
どの程度であるのか?

ところが、である。
この小判、慶長小判ではなく、幕末頃発行の
万延小判であれば、しっくり来るのである。

万延小判は、
縦36㎜×幅20㎜。

なんと、慶長小判のジャスト半分のサイズなのだ。
これであれば、掌に乗る仏像の中で
50両が眠っていても可笑しくない。

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埋蔵金がザックザク!

日本では戦後、公表されただけで
50件以上の埋蔵金の発見報告例がある。

発掘調査や土木工事の現場で、
小判や銅銭などがまとまって発見された。

特に高度成長期、前回の
東京オリンピック開催に向けた建設ラッシュで
発見回数は急増した。

鹿島清兵衛の埋蔵金は、
1963年(昭和38年)東京オリンピック開催前年
東京都中央区の
日清製油の本社ビル改築工事現場で
2度に渡り見つかった。

天保小判1900枚と、天保二朱金約78000枚
当時の時価で6000万円
過去最大の埋蔵金発見例となり騒がれた。

この埋蔵金は
江戸時代、この地で酒問屋を営んでいた
鹿島清兵衛が埋めたものと判明し、子孫に返還された。

鹿島清兵衛の埋蔵金1

鹿島清兵衛の埋蔵金1

 

鹿島清兵衛の埋蔵金2

鹿島清兵衛の埋蔵金2

小松ストアーの埋蔵金1956年(昭和31年)は、
銀座の建築現場から
江東区深川の埋め立て地へ運んだ土の中から
「慶長」「正徳」「享保」の3種類の小判
計208枚が発見された。

埋めた人物が特定できず、
文化財として東京の国立博物館に収蔵されている。

小松ストアーの埋蔵金1

小松ストアーの埋蔵金1

 

小松ストアーの埋蔵金2

小松ストアーの埋蔵金2

もし! 埋蔵金小判を見つけたら?

運良くどこかで埋蔵金、小判を掘り当てたら、
どうすれば良いのか?

もちろん警察に届けなければならない。

民法第241条「埋蔵物の発見」の規定により、
「遺失物法」の適用を受ける。
拾った財布と同じ扱いなのだ。

もし、これを怠ると
「遺失物等横領」の罪に問われ、
刑事罰を受けることになる。

だがその前に、落ち着いて、
小判の真贋を確かめねばならない。
子供の玩具と判明して、
公務執行妨害だと、お叱りを受けては堪らない。

その小判が本物かどうか、
まずは奥歯で噛んでみるのが適当である。

映画やテレビ時代劇の中でも試している。
あれは嘘でも、出鱈目でもないのだ。

小判を構成する金、元素番号 Auは
槌で叩いたり、鋏でカットしながら、
何度も工程を経て所定の重さに仕上げる。
それくらい柔らかい金属なのだ。

次に「試金石」を用いる方法もある。
紀州熊野の那智で産出される石英質の粘板岩であるが、
この石に小判をこすりつけ、
その摩擦面の条痕や色沢と手本とを見比べる。

もっと手本が手元になければ、
確かめようはないのだが。

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見つけた小判は、誰のもの?

さて、埋蔵金小判を届け出た後は、
遺失者探しが始まり、他の落し物と同じ扱いになる。
公告して6か月間、所有権者が現れるのを待つ。

自分のご先祖様が、その小判を、
その場所に埋めた、
自分が財産の相続人である、
と証明できれば、
埋蔵金は全部、その人に返還される。

もっとも、その証明は非常に難しい。
これまでの発見では、全体の1割程度しか
証明出来なかったと言われている。

所有権者、相続人が明らかになれば、
発見者には、埋蔵金の価格の
5%から20%の報労金を受け取る権利が与えられる。

何%にするかは、相互の話し合いで決めるが、
偶然発見した場合は、10%が相場のようだ。

なお、発見者が報労金を請求できるのは、
埋蔵金が遺失者に返還されてから1か月以内とされている。

悠長に構えず、所有権者が現れたら、
交渉は急がなくてはならない。

届け出から6か月たっても、
遺失者が名乗り出ず、わからなかったら、
発見者と、地主とで埋蔵金小判を折半にする。

歴史的にみて希少性が高いと評価された場合
「文化財保護法」の適用を受ける可能性がある。
美品であれば
「美術工芸品」として認定を受けることもある。

埋蔵文化財に指定された場合、
遺失者が見つからなければ、
物件は国庫または都道府県に帰属し、
発見者と土地の所有者に対して、
物件の価格に相当する額の報償金が支払われる。

ただし、報償金が支払われず、
発見者と土地の所有者に
現物の所有権が与えられることもある。

こうなると、きちんと保管しなければならなくなる。
勝手に売り捌くことも出来ない。
一文の得にもならない、
苦労ばかり背負うことになる。

だからであろうか、
届け出せずに、ネコババするケースが多い。

面倒だし、手っ取り早く自分の物にしたい、
そう思うのが人情かも知れない。

また、ビルの新築工事などで見つかれば、
文化財保護法の規定で工事がストップしたり、
ややこしい問題が起こる。
それを恐れて隠蔽するケースもあるようだ。

コインについて

万延小判

万延小判

今回ご紹介するコインは、
雛小判とも呼ばれ親しまれた万延小判である。

小判師の験極印、吹所の験極印で
意図的に「大」「吉」が打たれたものもあり
それを探し、縁起物として所蔵する方も多い。

『旧貨幣表』によれば、
万延小判は625,050両鋳造されている。

小判の中で比較的安価でありながら
金貨としての存在感を
圧倒的な美しさで主張している。

これからコレクションを始めようとする
初心者にお勧めの、人気の一品である。

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