フランスで最も有名な女性「マリアンヌ」って誰?【Coin of the day】

1930年発行のフランスESSAI(試鋳貨)のご紹介です。
試鋳貨とは、硬貨が発行する前に、デザインの確認等のために
作られた「試作品」のコインです。
正式に流通したものではないので発行枚数も少なく、
一般にいつでも手に入るという性質のものではないため、
大変人気が高いのが特徴です。

今回ご紹介のコインは全て同一の意匠となっており、
「フリジア帽をかぶった女性」の右向き横顔が
描かれています。
このフリジア帽、古代ローマにおいて「解放された奴隷」が
着用したことから、「自由への解放」の象徴となりました。

今回のコインに刻まれている女性は「マリアンヌ」と呼ばれる、
フランスを象徴する女性像です。
自由の女神がフリジア帽を身に着けた姿で、コインの他にも
切手のデザインに使われたり、公共施設に像が建てられるなど
共和制及び自由の象徴として国民に親しまれています。

このように、マリアンヌがフランスの象徴として
扱われるようになったのは、フランスを代表する画家
ウェジェーヌ=ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」
からだと言われています。

一枚のコインから、その国の歴史や信念、そして芸術…
様々な方向へ思いが広がります。

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