【インド】浸透してきた “投資対象”としてのコイン
コイン(アンティーク・コイン)は今や
“趣味”の域を超え、一種の“投資対象”になってきています。
昔は、紙幣やコイン、郵便切手をコレクションすることに、
若者から年配まで誰もが1度は夢中になったものです。
しかしここ10年で、かつての“趣味”は、
じわじわと“投資対象”へと変貌してきました。
“投資対象”へと変化していく中で、
コイン・コレクターたちは、少なからず
(投資家として、お互いに)対抗意識を持つようになったようです。
南インド貨幣協会の第26回年次会議が日曜日に閉幕しましたが、
そこに居合わせた貨幣学者の話を聞くと、
その多くは『ザ・ヒンドゥー』と同意見でした。
「私の世代では、どんなコインもすべて貴重なものだという認識はありましたが、
だからといって利益を得るために転売するなんて、考えもしませんでした」
そう語るのは、貨幣学者のスレッシュ・バブ氏です。
彼は、20年にわたりアンティーク・コインを販売してきました。
20年前は、“コレクションを増やしたい”という人だけが、
“趣味”として、コレクションに興じていたのです。
ところが現在では、多くの人――特に若者が、
手っ取り早く利益を得ようとしてコイン収集を始めています。
「投資対象としてのコインのポテンシャルが非常に高いことは、否定できません。
コイン収集には無限に広がる可能性があります。
そこに目を付けたのは他国より遅かったものの、
現在はインドでも、アンティーク・コインや
希少な切手を取り扱っているオークション会社は数社あります」
株式仲買人で切手コレクターのスニール・J・ジョゼフ氏はそう説明しています。
しかし、業界には悪質な輩も紛れ込んでいて、
ヴィンテージのコレクション品として市場に出回るコインのなかには
偽造品も存在します。
また、アンティーク・コインの価格を決めるうえで明確な仕組みが無いため、
価値以上の高値がついてしまうこともあります。
プロの貨幣学者でディーラーのK・T・ジョゼフ氏によると、
コインや切手収集の世界では、価格設定は依然として不透明だといいます。
「例えば、西暦1600年以前に流通していたと言われるコインでは、
確実に年代を見分ける方法が無いこともあります。
そのような場合はたいてい、(正確な年代ではなく)
歴史的に重要な意味合いがあるものか、
また、どの程度コレクションとしての需要があるかといった情報を基に、
ディーラーが価格を設定します」
最近では、(そういった真贋・価格などの問題点に対する)お互いの意識向上を目的として、
貨幣学者や切手コレクターが集う非公式の団体が登場しました。
その中の1つに「インド・コイン・コレクターズ・クラブ」という
フェイスブックのグループがあり、
8,000人を超えるメンバーが在籍しています。
グループの管理人の1人、ラジェッシュ・T・S・ナイール氏によると、
このグループは作家や歴史家、業界の専門家で構成されているとのことです。
ナイール氏は次のように述べています。
「このグループでは、コイン業界に蔓延してきた問題点に関して、情報収集に努めています」
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