人力で海を自在に渡る軍用船ガレー船 古代ローマコイン特集【Coin of the day】
先日、「ヒアリ」という猛毒を持つ外来種のアリが
初めて国内で発見されたというニュースがありました。
中国から兵庫県神戸市に入ってきたコンテナの中に
ヒアリの集団が確認されたとのこと…
毒性が強い上に非常に攻撃的な気性のヒアリ、
刺されてしまうと大変な痛みと痒みに襲われるそうで
並のケガ程度ではけろりとしている屈強な男性も
涙を流して病院へ駆け込むほど、と言われています。
環境庁の発表では、コンテナ内で駆除できた可能性が高く
日本に侵入・繁殖している恐れは少ないとのことですが…
一度入ると完全駆逐は困難な外来種、心配です。
さてさて、今日は古代ローマの銀貨です。
3枚目のコイン、珍しく人物の肖像が彫られておりません。
代わりに描かれているのがオールがずらりと並んだ
細長い船、「ガレー船」です。
ガレー船は、このたくさん並んだオールを人力で漕いで動かす
船で、古代において主に軍用船として活躍しました。
風の力で進む帆船と比べると、パワーや持続力の面では
劣るものの、逆に風がなかったり逆風の場面でもある程度
安定して航行することができ、また頻繁に加速や減速、停止を
繰り返すような走行をする際には、加減が自在な人力に
利があったようです。
ガレー船の漕ぎ手というのは非常にきつい労働で、
奴隷や捕虜などがやらされていた…というイメージもありますが
実は古代ガレー船の漕ぎ手は一般市民がほとんどでした。
古代ギリシャでは、「無産市民」と呼ばれる貧しい市民は
武器や防具を用意する財力がないため兵士になれませんでしたが
漕ぎ手なら武装を必要としないため彼らでもなることができ、
戦争では大いに活躍しました。
ペルシア戦争では、彼ら漕ぎ手が勝利へ貢献したことが評価され、
無産市民の国政への参加が認められたと言います。
今ではほとんど見ることのないガレー船ですが、
古代の時代から19世紀ごろまで、大活躍の船でした。
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