アンティークコインの購入方法を解説!初心者が失敗しないための基礎知識
アンティークコイン投資をご検討されたことはありますか?アンティークコイン投資と聞くとまだ馴染みがなく、初心者の方は「アンティークコインはどんなもの?ほんとに投資になるのか?」などわからない部分もあるかと思います。
今回は、
・安定した投資収益が見込めなおかつコレクションとしての価値がある、アンティークコイン投資を試してみようかな
・コロナ禍やAIの普及などの影響で、今後の仕事や老後対策に不安があるので、有利で失敗しない投資先を見つけたい
このようなアンティークコイン初心者や投資先を検討されている方に読んでいただきたい記事です。
アンティークコインについて知る
最初にアンティークコインについて解説します。そもそも、アンティークコインとはどんなものなのでしょうか。また、なぜアンティークコインは富裕層が好む投資対象になっているのでしょうか。
アンティークコインとはどんなもの?
アンティークコインとは、昔に作られた通貨のことです。一般的には、発行から100年以上経過したものをアンティークコインと呼びます。
アンティークコインは金・銀・プラチナ・銅などの貴金属をベースに作られており、鋳造した年代や展開するシリーズ、デザインの美しさ、状態など、様々な要素が影響し、その価値や市場価格に変動があります。
そのためアンティークコインを購入する際や売却する際には、鑑定付きのコインを選ぶようにし、信頼できるディーラーやショップと取引することが重要です。
なぜアンティークコインは投資対象としておすすめなのか
アンティークコイン投資が資産形成・資産保全に有利な理由は6つあります。
- 発行枚数が限られており「希少価値がある」こと
- 鑑定機関によるアンティークコインのグレーディングによる「公明性」
- 世界中にマーケットがあり「常時売買可能」であること
- 管理・維持・保全に「費用が発生しない」かつ「紛失リスク等の低さ」
- 購入・売買に関して「匿名性」がある(個人間取引が可能なので)
- 相場が多少下がっても金地金の価値は保証される
アンティークコインにはこのような利点があり、世界中に多くのコレクターとマーケットが存在しています。
その安定したマーケット性はイギリス退役軍人年金の投資商品としても選ばれているほどです。
“「アンティークコインで資産を防衛せよ」より引用 平木啓一著 PHP出版”
参考:https://www.amazon.co.jp/dp/B07J5DM6CK/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1
アンティークコインを購入するために必要な知識とは
アンティークコインといっても発行時における歴史的背景や彫刻の美しさなど、投資対象としてだけでなく「美術品」としての魅力が高いコインも多数存在しています。そんなアンティークコイン選びのために押さえておきたい基礎知識は次の4点です。
- アンティークコインの選び方
- アンティークコインとモダンコインの違い
- 資産としてのアンティークコイン
- アンティークコインの売買について
順にご紹介いたします。
1.アンティークコインの選び方
最初に最も重要なアンティークコインの選び方についてのご案内です。アンティークコインを投資対象として選ぶのであれば、次の3点を重視してみてください。
「希少性」のあるアンティークコインを選ぶ
アンティークコインを選ぶ上で、常に意識しておきたいのが「希少性」です。発行枚数が少ないアンティークコインは、オークションでも人気です。
例えば、1839年にイギリス(英国)でヴィクトリア女王の肖像が描かれた5ポンド金貨「ウナとライオン」が発行されています。世界一美しい金貨と呼ばれるウナとライオンですが、その発行枚数はたった400枚。非常に希少性が高くなっています。
ちなみに、2020年7月に日本で行われたオークションでは、3,200万円の値段がつきました(鑑定なし)。
https://www.ncanet.co.jp/exhibit/55526
また、2020年5月3日に開催された泰星コインオークションでは、8,650 万円で落札されています(鑑定:NGC PF65 ウルトラ・カメオ)。
このように希少価値の高いコインは非常に高い金額になります。
値上がりを期待してアンティークコインを購入する場合は、発行枚数だけでなく「残存枚数」にも注目してみてください。古い時期に発行されたコインの場合、戦争で焼け溶けてしまったり、軍備を整えるために政府に回収されてしまったり、発行枚数が多くても残存枚数が少ないコインも存在しています。
当然、残存枚数が少ないアンティークコインも価値が高くなる傾向にあります。
人気あるアンティークコイン
アンティークコインコレクターは、英国コインや米国コインなど、国やテーマ、シリーズ別にコレクションをする人も多くいます。
その中でも人気シリーズをいくつかご紹介します。
- スイス 射撃祭シリーズ
スイスやドイツなど欧州には射撃祭を記念したアンティークコインシリーズがあり、安定した人気があります。 - 都市景観シリーズ
1639年のアウグスブルク皇帝コインは歴史を感じさせる、趣があり300年以上たったいまでもその彫刻の美しさは損なわれていません。 - 動物シリーズ
わりに新しい中国のパンダコイン可愛らしいパンダシリーズは多く発行されており、デザイン性の高い人気コインシリーズです。
このほかにも様々なコインがありますが、総じて人気なコインは価格が上昇しやすい傾向にあります。
グレードの良いアンティークコインとその指標
アンティークコインは、発行から長い年月が経過したものであっても、保存状態が良ければ、美しい外観を保っているコインも存在しています。このようなコインは、非常に高いグレーディングがされます。
アンティークコイン購入する場合は、できる限りグレードの高いアンティークコインをお求めになることをお勧めします。
アンティークコインのグレードは第三者機関鑑定会社の最大手2社、アメリカのNGC社とPCGS社により鑑定され、グレードが決められているものが多いです。
NGC社・・・古代コインをはじめ幅広い取り扱いを有しています。
PCGS社・・古代以降、近代のアンティークコインの取り扱いをしています。
2社の差はほとんどなくどちらも信用の高い鑑定会社です。
以下に、グレードについての一般的な指標をまとめました。投資型のコインはプルーフと呼ばれており、一般には流通していないコインのことです。NGC社ではPF・PCGS社ではPRという呼称です。
ミントステイトとは流通を目的として製造されたコイン(一般の人が利用するコイン)ですが、実際には未流通だったコインをMSと呼びます。
グレード数値 |
プルーフ(PR・PF) |
ミントステイト(MS) |
70 |
最高ランク |
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69 |
一般的な記念コイングレード・ほぼ欠点なし |
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68 |
アンティークコインの最高ランク・図案の鮮明さに少しの欠点、極僅かに弱いものが許される |
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67 |
事実上僅かな欠点の図案、非常に良い良品 |
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66 |
へこみ/ヘアライン殆ど無し、フォーカル(焦点)エリアには無。図案の鮮明さは良い |
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65 |
へこみ/へアマークが少々あるがフォーカル(焦点)エリアには無 図案の鮮明さは平均以上 |
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64 |
へこみ/ヘアライン殆ど無し、あるいは数点激しいものがあり図案の鮮明さは平均かそれ以上 |
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63 |
中度の数字/サイズマーク/ヘアライン図案の鮮明さは完全でない場合がある |
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62 |
磨耗無し。わずかなへこみ/ヘアライン図案の鮮明さは完全でない場合がある |
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61 |
すれ無し 複数の重度のへこみ/ヘアライン、図案の鮮明さは完全でない場合がある |
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60 |
磨耗無し。かなりのへこみ/ヘアラインが見受けられる場合がある、図案の鮮明さは完全でない場合がある |
*一部PCGS社のグレードより引用
実際にはもっと多くのグレードランクがあり、アンティークコインの製造年数や人気また状態により価格が決まってきます。
またこのグレードランクが絶対ではなく、コインの希少性や年代によりランクが低くても投資対象として高額取引されているアンティークコインは多数存在します。
2.アンティークコインとモダンコインとの違い
次にアンティークコインとモダンコインとの違いについてです。アンティークコイン投資を初めて少し経つと、モダンコインというものを見かける機会が増えると思います。この2つは、発行年数で区分されています。
- 発行から100年以上のコインをアンティークコイン
- 発行100年以内をモダンコイン
と分けていますが、発行年数が若いからといって値段が安いまたは価値が低いということはありません。モダンコインでも最近は人気で高額で取引されるものも多くなっています。
例えば、2019年にヴィクトリア女王の生誕200周年記念として発行された復刻版「ウナライオン」は、2020年7月の日本コインオークションで1025万円での落札となりました。
https://www.ncanet.co.jp/exhibit/55559
僅か65枚のみの発行という希少価値、美しい彫刻でオークションでも人気のモダンコインです。
3.アンティークコイン購入は相続・資産対策になる
アンティークコインは海外富裕層を中心に長く投資対象として扱われてきました。その取引量は年々増加傾向にあります。
世界の富裕層向けのプレスリポートでフランクナイト社が毎年発行しているレポートがあります。世界の富裕層がどんなものに投資をしているかをまとめたものです。
この表によるとアンティークコインへの投資はレアウィスキーとクラシックカーに次ぎ「第3位の投資対象」となっています。
この1年では3%の伸び率ですが10年スパンでは175%の増加となっています。過去数年分を見てもアンティークコイン投資への投資額は常に上位3位内を保っています。
その理由としては、無記名で匿名性が高く、コインを維持する場合には不動産のような税金、また相場や社会情勢による相場の激しい変動もほとんどありません。
このような点が相続や資産形成に敏感な富裕層に好まれているのでしょう。
アンティークコインの具体的な購入方法
実際にアンティークコインを購入する場合は、どこで?誰から購入すればよいのでしょうか?初心者であれば悩むところでしょう。アンティークコインは多くの場所で取引がなされています。お勧めの購入方法や注意点をお伝えいたします。
1.アンティークコイン本物を選ぶには?
アンティークコインに対する興味があり、多少知識を得たとしても初心者が「最初の1枚」を購入する場合は信頼できるディーラーから購入するのが1番です。
アンティークコインディーラーやショップのオーナーは、実際に毎日アンティークコインに関する情報収集や取引を行っています。このように経験を積んだ人から話を伺うことで、自分にあったアンティークコインを探しやすくなることでしょう。
2.アンティークコイン購入方法
アンティークコインを扱うディーラーの多くは店舗やネットショップを運営されています。
- 店舗・・・実店舗がある場所なら店頭にあるコインを直に見ながら購入相談をすること ができます。
- オークション・・・ヤフオクやメルカリでもアンティークコインを購入できますが、高額商品売買はできにくい場合があります。
- ネットショップ(オンラインショップ)・・・インターネットでアンティークコインを売買しており、実店舗を持たない分コストを低くおさえて、販売することできます。
ほとんどのディーラーはインターネット上に自分のサイトをもって集客し、対応・販売しています。信頼できるディーラーの選び方の一つは、世界的な鑑定会社であるNGC社やPCGS社での認定を受けているかどうか。
また鑑定した商品が万が一にも贋作であったことが判明した場合は、購入金を返金するなど保証がある店舗でしょう。このような認定や保証のあるディーラーであれば、安心して相談できることでしょう。
まとめ
巷には多くの投資先がありますが、一般的な株・FX、不動産投資などの投資商品には多くのリスクがあります。
株やFXは不安定で相場が読み切れなく大幅な値下がりを抱えるリスク、不動産投資も多くの資金と管理が必要であり状況により、大幅に値を下げて売却できず高額な固定資産税を支払い続けるというリスクです。
アンティークコイン投資にはこのようなリスクはありません。売買時にゆとりを持ち、然るべきディーラーに相談しながらの投資であれば大きく値を下げることも回避でき、維持・管理に大金が生ずることもありません。
長期安定の投資、また美しいコインとそのコインの持つ歴史的背景や由来にコレクションする楽しみを得ることができます。
先人から受け継がれてきた、大切なアンティークコインで楽しみながら資産形成をしてみませんか?資産形成や相続についてなど、一度プロのディーラーにご相談ください。